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イタリア・世界遺産マテーラのおすすめ洞窟ホテル5選


世界遺産マテーラは、白い廃墟のような洞窟住居が広がる絶景の街。現在でもほぼ完璧な状態で古代からの姿が保存され、近年は南イタリア周遊旅行の目的地として定番化しつつある人気の観光地です。そこで、観光客にもっぱら人気を博しているのが、洞窟住居を利用した「洞窟ホテル」に泊まる体験。

イタリア・世界遺産マテーラのおすすめ洞窟ホテル5選
マテーラらしい滞在を楽しむなら洞窟ホテルにステイ! 出典:LOCANDA DI SAN MARTINO

古代人がしていたように洞窟の中で眠りにつく、そんなユニークな体験をあなたもしてみませんか?マテーラらしさ100%の滞在になること間違いなし!よって、今回はこの街をよく知る筆者が日本人に人気の洞窟ホテルを5つご紹介します。どれも旧市街の中心にあり、南イタリアでは珍しいバスタブがあるホテルです。

さらに「洞窟ホテルってどんなところ?」と疑問に思う人のためにその特徴を解説。事前に知ることで自分に合った快適な滞在のヒントが見つかるかも。それでは、マテーラへ出発する前に宿選びの参考としてご覧ください。

世界遺産「マテーラ」

南イタリアで人気の世界遺産「マテーラの洞窟住居」

1993年にユネスコの世界遺産に選ばれたマテーラは、南イタリア・バジリカータ州にある洞窟住居の街。岩をくり抜いてつくった洞窟住居(イタリア語でサッシ)が広がり、世界でもここだけの絶景を作り出しています。年々その人気は高まり、近年は有名映画のロケ地にも選ばれ、話題が絶えないホットなスポット。

007のロケ地巡りをしたい人必読の記事です↑↑

そこで、今、旅人に人気のステイ先こそ「洞窟ホテル」。古代の洞窟の趣きはそのまま残し、現代人の生活に合わせてリフォームしたマテーラならではの宿泊施設です。普通のホテルよりもご当地感満載なので超オススメ。

観光客の中には日帰りでここを訪れる人もいますが、街の魅力を知る筆者から言わせると、昼と同じくらい夜のマテーラも美しいので泊まらなきゃもったいない!治安はとてもよいので夜22時頃まで外出してもOK。昼の喧噪とは異なり、落ち着いた夜のサッシ地区を散歩して楽しみましょう。

洞窟ホテルのエリア

洞窟住居が集まるマテーラの旧市街はサッシ地区と呼ばれ、「バリサーノ」と「カヴェオーソ」の2つに大きく分かれます。観光名所の大聖堂はちょうど真ん中の高台にあり、どちらからも拝むことができます。

世界遺産になって以降、街の観光化が進み、もともとあった洞窟住居はレストランやホテルへと大変身。洞窟ホテルに泊まるなら、これからご紹介するバリサーノかカヴェオーソへGO!

バリサーノ地区

日常のさりげない場面が見られる「バリサーノ地区」

バリサーノ地区には個人宅やホテルが多く、小さな岩窟教会(岩をくり抜いてつくった教会)もいくつかあります。もうひとつのカヴェオーソ地区よりも飲食店はまだ少なく、食事の際はバリサーノ地区と背中合わせのヴィットリオ・ヴェネト広場まで出るのが無難です。

ただし、こちらのエリアは街の玄関となるマテーラ中央駅に近いため、大きなスーツケースをもっていても徒歩10分程度で辿り着けます。見どころは数える程度で比較的観光客が少なく、のどかなサッシ地区の雰囲気を味わいたい人にピッタリです。

カヴェオーソ地区

ガヴェオーソ地区の岩窟教会は圧巻の迫力!

反対に、カヴェオーソ地区は有名な「サンタ・マリア・ディドリス教会」をはじめ岩窟教会が多く建つエリアです。洞窟生活を再現した博物館「カーザ・グロッタ」もあり、メル・ギブソン監督の映画「パッション」のロケ地となった対岸のムルジェッキア(旧石器時代の集落跡)の眺めも壮観。

さらに、地区のメインストリートであるブルーノ・ブオッツィ通りにはレストランやカフェが連なり、食事の心配はありません。ただし、マテーラ中央駅からは少し距離があるため、駅前を通るシャトルバスやタクシーなどでアクセスすると快適です。

サッシ地区へのアクセスはこちらの記事をチェック↑↑

洞窟ホテルの特徴

ここでは、現地に着いて知らなくてびっくり!ということがないように「洞窟ホテルの特徴」をご紹介します。人によってはホテル選びを左右する重要なポイントがあるかも?!予約する前にしっかりチェックを。

古代にタイムスリップした感覚を体験できる

なんといっても洞窟ホテルに泊まる醍醐味は、古代人と同じ感覚を味わうこと。もちろん、客室は快適に過ごせるようバスルームやインターネットなど現代の生活に合わせてリフォームされています。ですが、基本的な部屋の作りは岩を削ったもの。

昔の人がどんな風景を見て、どんな想いで眠りについていたのか?を想像するとワクワクします。

アクセスは階段を上り下りして到着

マテーラのサッシ地区は階段が多い体力勝負の観光地

残念ながら、サッシ地区内は徒歩でのアクセスが快適ではありません。石造りの階段が整備されていますが、岩肌を削ったエリアなので階段を上り下りしてホテルまで到着するのが一般的です。ホテル内でも受付から外階段を使って各客室に到着する場合がほとんど。

よって、足腰に自身がない人は入口までタクシーで入れる大通り沿いのホテルを選び、階段を利用しない1階の客室をリクエストしてください。または、現在はまだ数が少ないですがエレベーター付きの洞窟ホテルもあるので、このようなホテルに泊まることをオススメします。

部屋が薄暗い&湿気が多い

窓がほとんどない客室は間接照明を多用して明るさをカバー

当たり前ですが、岩をくり抜いた住居には入口以外に窓はほぼありません。今も採光用の窓を挿入するのが難しいのが現実。よって、一般的なホテルの客室よりも薄暗い場合が多く、通気もよくないためジメジメした印象です。

構造上、バスタブとベッドルームが同じひとつの空間に配置されることもあるため、湿気が苦手な人は事前にホテルの公式サイトなどで部屋の作りをチェックするのが無難です。

ご当地名物のパンを朝食で味わえる!

一日の活力となる朝食はご当地食材のブッフェで 出典:LOCANDA DI SAN MARTINO

洞窟ホテルは通常1泊朝食付き。朝食ではマテーラを代表するご当地名物のマテーラパンが提供されます。今回ご紹介するホテルは、いずれも外国人観光客が多く滞在するため、イタリアの朝食の定番である甘いケーキからハム、チーズなどが並ぶブッフェが用意されているので日本人にも安心です。

欠かせないご当地名物の「マテーラパン」は賢く朝食でトライしよう!

おすすめの洞窟ホテル5選

ここからは、筆者オススメの洞窟ホテルをご紹介します。いずれもマテーラで知られた顧客満足度が高いホテルです。日本人が望むバスタブ付きの客室があり、5軒中4軒は受付が24時間体制。残り1軒も夜22時まで対応しているので、万が一のトラブルや質問がある場合も安心です。

もちろん、どこも専用バスルーム、インターネット、冷暖房を完備。快適な滞在ができるように設備面に抜かりはありません。ピピッときたものにはハナマル印をつけておいてくださいね。

ロカンダ・ディ・サンマルティーノ(バリサーノ地区)

バリサーノ地区を代表する人気の3つ星ホテル「ロカンダ・ディ・サンマルティーノ」

ロカンダ・ディ・サンマルティーノは珍しいエレベーター付きの大型ホテルです。全40室のうち33室は洞窟の岩肌に沿った本館(4階建て)にあり、残り7室は本館から少し離れた別館です。料金はご紹介する5軒の中では手頃で、大人数で同じ洞窟ホテルに泊まりたい場合に最適。

立地はバリサーノ地区の大通り沿いにあるため、タクシーでも楽にホテル入口まで到着できます。バスタブ付きの客室が豊富にあるため、お風呂好きの人は予約時にリクエストをお忘れなく。

バスタブ付きの客室が多いのは高ポイント!

そして、ここの魅力はなんといっても古代の貯水槽を利用した屋内プール。「アンティーケ・テルマエ・ロマーナエ」と呼ばれ、サウナ、トルコバスも完備。18歳以上を対象に別料金(25ユーロ/名)で利用が可能。観光で歩き疲れた後、神秘的な青い空間で過ごす時間は心の休息にもマル。

青の洞窟をイメージした幻想的な空間でリラックスタイムはいかが? 出典:LOCANDA DI SAN MARTINO

ロカンダ・ディ・サンマルティーノの予約はこちら!

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DATA   
ロカンダ・ディ・サンマルティーノ(LOCANDA DI SAN MARTINO)    
所在地:Via Fiorentini, 71, 75100 Matera MT, イタリア   
公式サイト:LOCANDA DI SAN MARTINO(英語)    
アクセス:ヴィットリオ・ヴェネト広場から徒歩4分

ロテル・イン・ピエトラ(バリサーノ地区)

可愛らしいエントランスのブティックホテル「ロテル・イン・ピエトラ」

ロテル・イン・ピエトラは2008年に開業した全9室のブティックホテルです。13世紀の修道院を改装した建物で、そのうち1室は珍しいシングルルーム。この他に洞窟住居ではありませんが、別館にキッチン付きのアパートタイプの客室があります。

開放的なロビーには教会の面影が至るところに見え隠れ

ここの強みは大きなジャグジーバス付きの客室が充実していること。観光にプラスして、心と体のリラックスを目的にした滞在も叶えます。特にスイートの3室は広く、そのうち1室(Suite Wellness)には専用サウナまで!他にも日本のテレビ番組に登場したテラス付きの客室(Suite1003)も素敵ですよ。

客室は広くて快適!大きなバスタブに浸かって一日の疲れを流しましょう 出典:L’HOTEL IN PIETRA

さらに、このホテルから眺めるバリサーノ地区の風景は圧巻。ただし、立地はホテルの入口まで車で行けないため、近くの車道から石畳を5分ほど歩きます。よって、大きなスーツケースの持ち運びはホテルのポーターサービス(有料)を活用しましょう。

ロテル・イン・ピエトラの予約はこちらから!

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DATA   
ロテル・イン・ピエトラ (L’HOTEL IN PIETRA)    
所在地:Via S. Giovanni Vecchio, 22, 75100 Matera MT, イタリア   
公式サイト:L’HOTEL IN PIETRA(英語)    
アクセス:ヴィットリオ・ヴェネト広場から徒歩6分

セクスタンティオ・レ・グロッテ・デッラ・チビタ(カヴェオーソ地区)

まるで中世にタイムスリップした気分になるユニークなホテル 出典:SEXTANTIO LE GROTTE DELLA CIVITA

3つ目にご紹介するのは、他の洞窟ホテルとは一線を画す「セクスタンティオ・レ・グロッテ・デッラ・チビタ」。場所はバリサーノに限りなく近いカヴェオーソ地区の端にあります。一度足を踏み入れると中世の村に迷い込んだ錯覚に陥る不思議なホテルです。

客室は全部で18室。受付や併設のレストランを含めどの空間もすべて伝統の洞窟住居です。ここの特徴は、古代そのままの雰囲気を限りなく再現していること。家具や調度品は貧しい古代の生活をイメージしたミニマル。スタッフの衣装も民族衣装を彷彿とさせます。

客室からは壮大なムルジェッキアのパノラマを独り占め 出典:SEXTANTIO LE GROTTE DELLA CIVITA

ただし、客室の一部はミニマルすぎて好き嫌いが分かれるところ。例えば、トイレと寝室を区切る扉がなかったり(苦笑)。事前に公式サイトで希望の客室を確認しておきましょう。尚、ホテルでは料理レッスンや散策ツアーなどを有料で手配可能。ただ宿泊するだけでなくトータルで滞在の思い出作りができます。

トイレのドアがない部屋も…事前にチェックを! 出典:SEXTANTIO LE GROTTE DELLA CIVITA

セクタンティオ・レ・グロッテ・デッラ・チビタの予約はこちらから!

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DATA   
セクタンティオ・レ・グロッテ・デッラ・チビタ (SEXTANTIO LE GROTTE DELLA CIVITA)    
所在地:Via Civita, 28, 75100 Matera MT, イタリア   
公式サイト:SEXTANTIO LE GROTTE DELLA CIVITA(英語)    
アクセス:マテーラ国立美術館から徒歩15分

サンタンジェロ・ラグジュアリー・リゾート(カヴェオーソ地区)

マテーラでも貴重な5つ星L(ラグジュアリー)のホテル

続いては、マテーラでも高級ホテルとして名高い「サンタンジェロ・ラグジュアリー・リゾート」です。立地は映画「007 ノー・タイム・トゥー・ダイ」内でも登場したサンピエトロ・カヴェオーソ広場のすぐ向かい。こちらのホテルも車道に面しているため入口までのアクセスが簡単です。

室内は白を基調とした品のあるインテリアでまとめられてます 出典:SANT’ANGELO LUXURY RESORT

全21室のうち洞窟住居の客室は16室。中には歴史的邸宅を改装したミニスパ付きの200平方メートルを誇るアパートもあります。高級感溢れる館内には至るところにモダンラグジュアリーなインテリアが配置され、岩窟教会群の絶景をひとり占めできるテラス付きレストランを併設。

新婚旅行や記念日旅行は絶景レストランでディナーはいかが? 出典:SANT’ANGELO LUXURY RESORT

尚、ホテル企画の現地ツアーには映画「007 ノー・タイム・トゥー・ダイ」のロケ地巡りもあります。マテーラと隣町のグラヴィーナ・イン・プーリアを3日間で周る一部食事付きのプライベートツアーです。ジェームズ・ボンドファンは目がハートになるうれしいオプションですよね。

サンタンジェロ・ラグジュアリー・リゾートの予約はこちらから!

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DATA   
サンタンジェロ・ラグジュアリー・リゾート (SANT’ANGELO LUXURY RESORT)    
所在地:Piazza S. Pietro Caveoso, 75100 Matera MT, イタリア   
公式サイト:SANT’ANGELO LUXURY RESORT(英語)    
アクセス:マテーラ国立美術館から徒歩8分

コルテ・サン・ピエトロ(カヴェオーソ地区)

建築家のセンスを感じる「コルテ・サン・ピエトロ」の中庭

最後は、シンプルながら機能性と建築美が融合した「コルテ・サン・ピエトロ」です。こちらの売りはホテルの入口から客室までの階段がたった10段(笑)。他のホテルがどれだけ階段が多いのか?を逆手に取った賢い戦略です。 

17世紀の洞窟住居を改装したホテルには全13室あり、地下には第二次世界大戦まで利用されていた大きな貯水槽が鎮座します。こちらは宿泊客なら無料で見学OK。客室は写真集に登場するような美しい設計で、モダンながら洞窟のよさを残し、包み込むような優しいナチュラルカラーが印象的です。

デザインと機能性がうまく融合した抜群の客室設計 出典:CORTE SAN PIETRO

さらに、スタッフが親切でフレンドリーなところに定評があり、朝食ではスタッフが一人ずつ好みの卵料理やフルーツジュースを手厚くサービスしてくれます。こちらでも、オプションで名物のマテーラパンを作るレッスンやワインツアーなどを手配可能。ただし、このホテルは受付が朝7時30分から夜22時までです。

朝食会場の床からも自慢の貯水槽をのぞけます

コルテ・サン・ピエトロの予約はこちらから!

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DATA   
コルテ・サン・ピエトロ (CORTE SAN PIETRO)    
所在地:Via Bruno Buozzi, 97, 75100 Matera MT,  イタリア   
公式サイト:CORTE SAN PIETRO(英語)    
アクセス:マテーラ国立美術館から徒歩5分

マテーラでは洞窟ステイがおすすめ!

マテーラらしい滞在を楽しむなら洞窟ホテルにステイ! 出典:LOCANDA DI SAN MARTINO

マテーラでは洞窟ステイを体験してみませんか?普通のホテルに泊まるのも悪くはありませんが、岩の街で古代から受け継がれてきた伝統家屋に泊まる滞在はきっと貴重で面白い旅時間になるはずです。

近年は街の人気に比例して、世界中からの観光客を受け入れるためにホテルの数がどんどん増加中。その質も驚くほどのスピードで向上しています。洞窟ホテルならではの特徴を考慮して、あなたのお気に入りの一軒を見つけてください。