イタリアのフィレンツェのシンボル的存在こそドゥオモ(大聖堂)。赤い円形型の屋根(クーポラ)が美しい大聖堂で、その姿は旧市街の外れにある高台「ミケランジェロ広場」から見てもすぐに見つけることができます。
日本ではかつて映画「冷静と情熱のあいだ」の舞台になったことで知名度が広がり、それで知ったという人も多いのではないでしょうか。映画が放映された頃にはまだ学生でイタリアにはまったく興味がなかった私も、フィレンツェの旧市街を見下ろすシーンには圧倒された思い出があります。
フィレンツェのドゥオモ(大聖堂)は、フィレンツェに行ったらまずは訪れて欲しい場所のひとつ。ドゥオモ広場へ向かう途中、ドゥオモの赤いクーポラが見えてくると「フィレンツェに来た!」とイタリア在住15年の私でも毎回テンションが上がります(笑)!
今回は、初めてフィレンツェを訪れる人に向けて…
✔フィレンツェのシンボル・ドゥオモ(大聖堂)の紹介
✔フィレンツェ中央駅から大聖堂広場への一番簡単なアクセス方法
✔フィレンツェ旧市街にあるツーリストインフォメーション3つ
を紹介。初めてフィレンツェに行く前に、ぜひ目を通してくださいね!
目次
フィレンツェ大聖堂(ドゥオモ)とは?
フィレンツェのシンボル・ドゥオモ(大聖堂)の正式名称は「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(Cattedorale del Santa Maria del Fiore)」。イタリア語で「花の聖母マリア大聖堂」という意味です。
ドゥオモ(大聖堂)とは「司教・大司教がいる教会」のこと。イタリアの各都市には数多くの教会があり、その中でも一番格式が高い教会のことを指します。大聖堂以外の教会はというと、司祭・助祭がいるシステム。
フィレンツェ市内にもたくさんの教会がありますが、司教・大司教がいる一番重要な教会こそが、このドゥオモ(大聖堂)なのです。
「フィレンツェ歴史地区」に含まれる世界遺産であり、建築史上最も美しいと今も讃え続けられるオレンジ色の丸いドーム状の屋根「クーポラ」が、フィレンツェの街並みを見下ろす姿は荘厳な雰囲気。
ドゥオモの建設が始まったのは13世紀末(1296年)。そこから140年もの長い年月をかけて1436年にようやく完成。クーポラは建築家のフィリッポ・ブルネレスキの模型案が採用され、木枠を組まずに作られた史上初のドームとなりました。建設当時世界最大のもので、ブルネレスキはこの「クーポラ」の完成で世界的に有名な建築家として知られるようになりました。
ドゥオモの正面(ファサード)。長い間未完成のまま残され、完成したのは1887年でした。
ドゥオモの横にそびえるのは高さ84mのジョットの鐘楼。内部の414段の階段を登れば、ドゥオモのクーポラを含むフィレンツェ旧市街の絶景を楽しむことができます。
ドゥオモ・鐘楼の隣にあるのが八角形のサン・ジョヴァンニ洗礼堂。「天国の扉」と呼ばれる東側(ドゥオモ側)の扉が有名です。しかし、ゴールドを配色のメインにした天井のモザイク画「最後の審判」「創世期」も素晴らしく、多くの旅行者から高い評価を得ています。
クーポラとジョットの鐘楼、どちらに登るのがおすすめ?
外観のモダンな装飾とは反対に、ドゥオモ(大聖堂)の中はとても簡素なデザイン。丸いクーポラの内部がどのようになっているかというと、サン・ジョヴァンニ洗礼堂とは画風の異なるフレスコ画「最後の審判」が一面に描かれています。
ドゥオモの中に入れば見える「最後の審判」ですが、「もっと近くから見たい!」という人はクーポラの屋上に上るコースへの参加がおすすめ。このフレスコ画の近くを通ってクーポラの屋上まで登れるんです!
そうです…実は、クーポラの上部は展望台になっていて、クーポラ内のフレスコ画と丸屋根を近くで楽しめることで人気。しかし、ジョットの鐘楼も、最上階が展望台になっていて、クーポラを含んだ世界遺産歴史地区の眺望を楽しめることでも知られていて、フィレンツェのポスターやガイドブックの表紙を飾る景色が広がるのです。
どちらも登っていただきたいですが…実は高さ116mのクーポラに登るには463段の階段を上り、高さ84mのジョットの鐘楼(84m)に登るには414段の階段を上がる必要があります。なんと、エレベーターはなく階段一択!1日に両方とも登ろうと考えている人は、相当体力がある方と、2日間にわたってドゥオモを楽しめる時間のある人かと。
体力的かつ時間的に一つにしか登れないという人も多く、よく「クーポラに上るか鐘楼に上るか」問題が勃発します。
「どちらにも登りたいけど時間がない!」というあなたのために、それぞれの特徴を紹介します!あなたはどちらに登りますか?
クーポラに登った方がいい人
✔クーポラ内のフレスコ画「最後の審判」を近くから見たい人
✔一番高い場所から写真を撮りたい人
✔フィリッポ・ブルネレスキ作のクーポラの丸さを足元から感じてみたい人
ジョットの鐘楼に登った方がいい人
✔クーポラを入れたポスターやガイドブックで見るあの絶景写真を撮りたい人
✔少しでも階段は少ない方がいい人
ますます悩ませる結果になったような気がしますが(笑)、よく考えて登りましょう!
DATA サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオモ) 住所:Piazza del Duomo, 50122, Florence 開場時間:10:00~17:00※曜日より異なる
ドゥオモの関連施設も入場できるビリエット・ユニコは停止中!
新型コロナウィルス感染拡大以前の通常時のフィレンツェでは、ドゥオモ関連施設も含めすべて入場できる共通パス「Biglietto Unico」が便利でしたが、2021年6月現在販売を停止中。旅行者の皆さんが渡航できるようになったときは再開する可能性が高いので、予習しておきましょう。
入場可能施設
✔サンタマリアデルフィオーレ大聖堂(ドゥオモ)
✔クーポラ(ブルネレスキ建築のドーム)
✔ジョットの鐘楼
✔サンジョヴァンニ洗礼堂
✔サンタ・レパラータ教会跡
✔ドゥオーモ美術館
料金
2021年6月現在停止中。復活時の金額は未定
販売場所
◎サン・ジョヴァンニ洗礼堂北側建物内のチケットセンター◎ドゥオモ内の地下入り口◎ジョットの鐘楼の入り口◎ドゥオモ付属美術館
規約
✔サンタマリアデルフィオーレ大聖堂、クーポラ(ブルネレスキ建築のドーム)、ジョットの鐘楼、サンジョヴァンニ洗礼堂、サンタレパラータ教会跡(地下礼拝堂)、ドゥオモ付属美術館の6か所の施設に1回ずつ入場できる
✔48時間有効
✔購入後6日以内に使用
✔クーポラの入場は大変人気があるため予約する現地チケット売り場で予約可能)
【2021年最新情報】コロナ禍2021年のドゥオモ見学料金
海外渡航が通常化し、フィレンツェに世界中からの観光客で混雑するまでは、ドゥオモ観光は通常とは異なる料金徴収が行われています。とはいえ、日本の入国制限の厳格化が緩和されたらイタリアに行ってドゥオモを見たいという人や、EU域内にお住いの方で最新情報を知りたいという方も多いでしょう。
ここでは私が2021年フィレンツェ観光に行った際の最新の入場料金をお知らせします。
ドゥオモ内部を見学する
【料金】
無料
【開館時間】
10時45分~17時(最終入場16時30分)
日曜日は入れないので注意!
クーポラに登る
【料金】
大人:20ユーロ/7~14歳:10ユーロ/7歳以下のこども:無料
【開館時間】
8時15分~19時(最終入場18時)/土曜日:8時15分~17時30分(最終入場16時30分)/日曜日・祝日:12時45分~17時30分(最終入場16時30分)
ジョットの鐘楼に登る
【料金】
大人:15ユーロ/7~14歳:7ユーロ/7歳以下のこども:無料
【開館時間】
8時15分~19時45分(最終入場18時45分)
サン・ジョヴァンニ洗礼堂の見学
2021年7月から内部を見学できる日が1か月に1回と限られてしまいました。そのため、運よくあなたの行った日が開館日なら迷わず見学してください。
【料金】
大人:5ユーロ/7~14歳:3ユーロ/7歳以下のこども:無料
【開館時間】
2021年7月より毎月第1火曜日のみ開館
フィレンツェ中央駅から大聖堂広場への一番簡単なアクセス方法
フィレンツェ中央駅から大聖堂広場への一番分かりやすい道順を紹介します。駅前のサンタ・マリア・ノヴェッラ広場へ入ったら、後はドゥオモのクーポラを目指してまっすぐ歩くだけ!フィレンツェが初めての人でも簡単に大聖堂広場に行くことができますよ。
1.列車を降りてホームエリアを出たら左側の出口から外へ
ホームエリアの出口ゲートを出たら左折、その後右折して駅の外に出ましょう。(駅前のタクシー乗り場側に出ます)
2.駅前のツーリストインフォメーション前へ
ホームエリアを出て左折⇒右折して駅の外に出るとタクシー乗り場があります。タクシー乗り場を超えて駅前のツーリストインフォメーションを目指しましょう。
駅前のツーリストインフォメーションのMAPはこちら
3.サンタ・マリア・ノヴェッラ広場へ
ツーリストインフォメーションを左折したら、そのままサンタ・マリア・ノヴェッラ広場を目指しましょう。
※左手のパンツァーニ通り(Via Panzani)を通っても大聖堂広場へ行けますが、車も人も多い通りなのでアヴェッリ通りから小道を進むのがおすすめ。イタリアらしい街並みが楽しめますよ!
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会に沿って進むと、サンタ・マリア・ノヴェッラ広場に出ます。
※サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局に行きたい人は、教会の反対側に延びるスカーラ通り(Via della Scala)を少し行くと右手にあります
4.大聖堂のクーポラ・鐘楼を目指して大聖堂広場を目指そう!
広場に入って最初の左手に延びるバンキ通り(Via dei Banchi)を進みます。
バンキ通りに入ると遠くに大聖堂の鐘楼が見えるので、鐘楼を目指して進みましょう。
しばらく進むと大聖堂のクーポラ(丸天井)が見えてくるので、そのまままっすぐ進みましょう。
5.大聖堂広場に到着!
フィレンツェ旧市街はこじんまりとしているので見どころは十分徒歩で回れます。中世の雰囲気が残る街並みを歩きながら、のんびりとフィレンツェ散策を楽しんでくださいね!
フィレンツェ旧市街のツーリストインフォメーションはどこ?
2021年6月現在、フィレンツェ旧市街にあるツーリストインフォメーションは3つ。旅行者に便利なツーリストインフォメーションはフィレンツェでは利用価値大!
✔旧市街の地図をもらう
✔バスの路線図をもらう
✔探しているレストランやお店などへの道を教えてもらう
✔バスツアーを予約する
✔観光ガイドを予約する
✔ホテルを紹介してもらう
などのサービスが受けられます。
どこにあると知っていると、とても心強いですよね!
フィレンツェ旧市街にあるツーリストインフォメーションの詳細はこちら。
フィレンツェ中央駅前のツーリストインフォメーション
一番便利なのは、フィレンツェ中央駅前にあるツーリストインフォメーション。場所柄、いつも多くの観光客が利用している一番大きな所です。
DATA フィール・フローレンス(Ufficio Informazioni Turistiche Comune di Firenze - Feel Florence) 所在地:Piazza della Stazione, 4, 50123 Firenze FI 営業時間:9時~19時(日曜日のみ9時~14時) 公式サイト:Ufficio Informazioni Turistiche Comune di Firenze - Feel Florence
サン・ロレンツォ聖堂近くのツーリストインフォメーション
サン・ロレンツォ聖堂近くのツーリストインフォメーション。平日の9時~13時のみの営業なので、訪問日時に注意が必要です。
DATA フローレンス・メトロポリタン・ツーリストインフォメーションセンター(Florence Metropolitan Tourist information center) 所在地:Via Camillo Cavour, 1R, 50129 Firenze FI 営業時間:9時~13時(土・日曜日は定休日) 公式サイト:Florence Metropolitan Tourist information center
サンタ・クローチェ聖堂近くのツーリストインフォメーション
フィレンツェ旧市街の南東にあるサンタ・クローチェ聖堂近くにあるツーリストインフォメーション。
DATA サンタ・クローチェ(Ufficio Informazioni Turistiche Comune di Firenze - Santa Croce) 所在地:Borgo Santa Croce, 29/r, 50122 Firenze FI 営業時間:9時~19時(日曜日のみ9時~14時) 公式サイト:Ufficio Informazioni Turistiche Comune di Firenze - Santa Croce
その他、フィレンツェ・ペレトラ空港にもツーリストインフォメーションがあるので、飛行機でフィレンツェを訪れる人は、市内に行く前に情報収集できます。
DATA アエロポルト・ヴェスプッチ(Ufficio Informazioni Turistiche Comune di Firenze - Aeroporto Vespucci) 所在地Via del Termine, 11, 50100 Firenze FI 営業時間:9時~19時 公式サイト:https://www.feelflorence.it/it/infopoint-turistici
フィレンツェはまずドゥオモ(大聖堂)に行こう!
フィレンツェのシンボル的存在、ドゥオモ(大聖堂)。フィレンツェ旧市街にある数多くの見どころの中でも最大の見どころとも言えるので、フィレンツェを訪れたらまずはドゥオモ広場に足を運びましょう。広場に向かう途中にクーポラやジョットの鐘楼が見えてくると、「フィレンツェに来たんだ!」と嬉しくなりますよ!
フィレンツェのドゥオモ(大聖堂)のツアー予約はこちら! |
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そもそもフィレンツェまでの行き方がわからないという人は
フィレンツェ中央駅までの特急列車や乗車券の買い方については、以下の記事で紹介しているのでご安心を!
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