オーストラリアにある世界遺産で、2,600km以上続く世界最大の珊瑚礁地帯の「グレートバリアリーフ」。広大な大珊瑚礁群とカラフルな魚や様々な海洋生物のいる美しい海は、世界中のダイバー達が「一度は潜ってみたい」と憧れる人気ダイビングスポットです。
グレートバリアリーフへのアクセスに便利なケアンズへは、2022年7月の夏休みに向けて、日本から直行便の運行再開が遂に決定しました!ダイビングに興味がない方でも必ず心惹かれる、シュノーケリングやクルーズ、遊覧飛行などなど、グレートバリアリーフの魅力をご紹介します。
目次
世界遺産の「グレートバリアリーフ」の魅力
発達したサンゴ礁(リーフ / Reef)が大陸沿岸の沖合に連続し、まるで防壁(バリア/ Barrier)のように波から陸地を守るように連なるものを「バリアリーフ」と言います。世界各地にあるバリアリーフの中でも類を見ない規模を誇るのが、今回ご紹介するオーストラリアにあるグレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)です。
世界最大の大珊瑚礁地帯
グレートバリアリーフはオーストラリア北東岸、クイーンズランド州の海岸線に2,600km以上も続く世界最大の珊瑚礁地帯です。宇宙からもその存在が確認できる程の大さを誇り、1800万年前に誕生したと言われる長い歴史があります。温暖な気候と程よい日照、地形や水温・水質など、珊瑚礁の形成にとって最適な環境によって生み出された、まさに自然の奇跡。1981年には世界自然遺産に指定されました。
美しい海に点在する900もの島々
グレートバリアリーフ一帯には2,900以上のリーフ、400種以上のサンゴが生息していますが、その中には大小900以上の島々が連なっています。島周辺をシュノーケリングしてカラフルな魚やサンゴを楽しんだり、島の上陸して手付かずの大自然をブッシュウォークしたり、中には島全体がリゾートになっていて宿泊やアクティビティも楽しめる島もあります。
生息する数多くの野生動物
珊瑚礁の規模はもちろん、グレートバリアリーフを語る上で外せないのが、オーストラリア固有種をはじめとする貴重な野生動物の存在です。グレートバリアリーフ周辺には1,500種類以上の海洋生物や、200種類以上の鳥類など様々な動物が生息しています。ジュゴンやウミガメなど絶滅危惧種の生息地としても知られていて、まさにリーフ一帯が超大規模な自然の動物園のようです。
グレートバリアリーフを楽しむアクティビティ
そんなグレートバリアリーフの魅力を満喫するなら、どんな方法があるでしょうか?実はグレートバリアリーフへは個人で訪れることができないので、基本的にはツアーに参加する必要があります。ここではオススメのグレートバリアリーフの過ごし方をご紹介します。
初心者からライセンス保持者まで「ダイビング」
世界中のダイバーの中で知らない人はいないであろう「グレートバリアリーフ」は、ライセンス保持者なら誰もが一度は潜ってみたい、まさに「憧れの地」。手付かずの珊瑚礁が残るリボンリーフをはじめ、海にポッカリと空いた神秘的なブルーホール(オーストラリアにもあります!)、時期によってはミンククジラに遭遇できるスポットや沈没船など、ダイバー達が憧れるスポットが目白押しです。
「1日じゃ物足りない!」という方には、ボートに宿泊しながらダイビングスポットを巡る、ボートダイビングツアーはいかがでしょうか。日帰りダイビングでは辿り着けない、少し遠方のダイビングスポットに訪れることができます。グレートバリアリーフを潜り倒したい方におすすめの、玄人好みのツアーです。
誰でも簡単に楽しめる「シュノーケリング」
ダイビングのライセンスがなくても、グレートバリアリーフの美しい海とカラフルなサンゴは、シュノーケリングでも十分に楽しめます。各ツアー会社ではグレートバリアリーフや近隣の島々へのシュノーケリングツアーを随時開催しているので、訪れるスポットや時間帯によってお好みのツアーを選びましょう。マスクやフィン、「ヌードル」と呼ばれる浮力スティックやライフジャケットなど様々なギアもレンタルできるので、初心者や泳ぎが苦手な人でも全く問題ありません。
海面を疾走する「クルーズ・セイリング」
泳ぐのはあまり興味がないという方には、圧倒的な開放感が味わいながら、広大で美しいグレートバリアリーフを疾走するクルーズやセイリングがおすすめ。アウターリーフに浮かぶ人口の浮島(ポンツーン)に訪れるツアーでは、水に濡れることなく、食事や日光浴、潜水艦に乗るアクティビティも楽しめます。
グレートバリアリーフの島々を巡るツアーでは、グラスボトムボート(ボートの底がガラスになったもの)に乗って珊瑚礁を眺めたり、島の散策をしたり、帰路では日が暮れゆくグレートバリアリーフのサンセットを優雅に楽しむこともできます。心地いい風に吹かれながら、夕陽に照らされるグレートバリアリーフの海を楽しみましょう。
ヘリコプターやセスナで「遊覧飛行」
海岸線に並ぶ珊瑚礁や果てしなく続く水平線、エメラルドグリーンから深いターコイズブルーへ変わる独特の色のグラデーションを、ヘリコプターやセスナに乗って空の上から眺めるのはいかがでしょうか?グレートバリアリーフ上空を遊覧飛行するツアーもあり、美しい海だけでなく気持ちよさそうに泳ぐウミガメやマンタ、運が良ければクジラを上空から確認できることもあるとか。
特に「幸せになれる」という噂のハート型の珊瑚礁「ハートリーフ」、世界有数の美しいビーチとしても名高いマーブル模様の「ホワイトヘブン・ビーチ」など、空からしか本当の美しさを楽しむことができないスポットもあります。シュノーケリングツアーよりはお値段は張りますが、絶対忘れられない体験になること間違いなしです。
ハートリーフなど、上空から見ないと楽しめないグレートバリアリーフのサンゴ礁。やはり遊覧飛行は一生の思い出にチャレンジしたいものです。
島に宿泊する「アイランド・ステイ」
グレートバリアリーフの広大な珊瑚礁の中には、サンゴや砂が潮の流れで堆積してできた島や、海面上昇で隆起してできた島など、900もの個性的な島々が点在しています。波打ち際のシュノーケリングだけでなく、緑豊かでたくさんの野鳥が暮らす島でハイキングをしたり、小高い丘をブッシュウォークして島全体を見下ろしたり、宿泊施設やレストランを兼ね備えたリゾート施設のある島ではアイランド・ステイもできます。
グレートバリアリーフへの拠点であるケアンズのビーチでは、実は海水浴ができません。宿泊しながら毎日海で泳ぎたい!と思っている方は、島にステイすることも考えてみてはいかがでしょうか?
グレートバリアリーフにある島の中でもある程度施設の整った島がハミルトン島。島泊でグレートバリアリーフを満喫するのも最高です!
グレートバリアリーフで訪れるべきスポット
広大な面積を誇るグレートバリアリーフ。ダイビングスポットだけでも星の数ほどあるので、全てを網羅するなんて到底無理です。ここでは筆者おすすめの「グレートバリアリーフで訪れるべきスポット」をご紹介します。
グリーン島
グリーン島(Green Island)はケアンズから高速ボートで約50分程の場所にある小さな島。長い年月をかけてサンゴ礁が隆起してできた島の周囲は、わずか1.6kmほど。とても小さい島ですが、グレートバリアリーフで唯一熱帯雨林の植物が生息しているというとても珍しい場所です。
グリーン島でおすすめのアクティビティと言えば、間違いなくシュノーケリングです。島自体が珊瑚礁なので、わざわざボートに乗らなくても、ビーチからすぐたくさんのカラフルな魚達に出会うことができます。特にオススメなのは、ボートや船が停泊する桟橋の下。想像以上の魚達の量にびっくりしますよ。
さらにこの島にはリゾートホテルもあるので、まさに珊瑚礁に包まれながらホリデーが満喫できます。ケアンズからのアクセスもしやすく、小さい島ながらもシュノーケリングやダイビング、ブッシュウォークなども楽しめてアクティビティも満載なので、家族連れにもおすすめです。
DATA グリーン島 所在地:Green Island Resort, Great Barrier Reef Marine Park, Green Island QLD, Australia 公式サイト:グリーン島
ハートリーフ
ハート型に縁取られた独特のフォルムのサンゴ礁「ハートリーフ(Heart Reef)」。オーストラリア観光の広告などで画像が使われることも多いので、ご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか?ハートリーフを上空から見たカップルは幸せになれるとか?そんな噂が広がり、新婚旅行やカップルに人気のグレートバリアリーフ随一の観光スポットです。
元々飛行機で上空を飛んでいたパイロットが最初に見つけたものだそうですが、確かに上空からでしかその全貌を確認することができません。実はこの辺り一帯は保護区に指定されていて、リーフへの上陸はもちろん、ダイビングやシュノーケリングなどが一切禁止されています。
ハートリーフを見るなら、ヘリコプターやセスナなど遊覧飛行で訪れましょう。
DATA ハートリーフ 所在地:Heart Reef, Great Barrier Reef Marine Park, Whitsundays Queensland, Australia 公式サイト:ハートリーフ
ハートリーフの近くには、ヘリパッドのあるポンツーン(浮島)「ハートアイランド(Heart Island)」も誕生しました。こちらはハミルトン島にある6つ星リゾート「クオリア(qualia)」宿泊客専用の貸切水上コテージです。60分間で1人¥110,000以上というなかなかの価格設定ですが、ハートリーフを独り占めしたい方は是非。
DATA ハートアイランド 公式サイト:ハートアイランド(クオリア)
ホワイトヘブン・ビーチ
ターコイズブルーの海と真っ白な砂浜のコントラストが美しい「ホワイトヘブン・ビーチ(Whitehaven Beach)」は、ウィットサンデー島にある7kmも続く長いビーチ。「世界一美しいビーチ」に何度となく選出されていて、グレートバリアリーフで是非訪れておきたいスポットの一つです。
ホワイトヘブン・ビーチではシュノーケリングだけでなく、シーカヤックやラフティング、ビーチを見渡せるトレッキングなどのアクティビティも満載です。特に青と白がマーブル状に溶け合う北側の入江「ヒル・インレット(Hill Inlet)」は、何とも幻想的で一見の価値ありです。
DATA ホワイトヘブン・ビーチ 所在地:Whitehaven Beach, Great Barrier Reef Marine Park, Whitsundays Queensland, Australia 公式サイト:ホワイトヘブン・ビーチ
ハミルトン島
そんなハートリーフとホワイトヘブン・ビーチは、74もの島々が集まるウィットサンデー諸島にあります。その一角にあるハミルトン島はウィットサンデー諸島で一番大きなリゾートアイランドです。
750haある広大な敷地内には全部で6つの宿泊施設、レストランやバー、スーパーマーケットもあり、空港もあるのでシドニーやメルボルンなどオーストラリア主要都市からも飛行機でアクセス可能です。 また上でご紹介したハートリーフやホワイトヘブン・ビーチに訪れる際の玄関口でもあるので、ハミルトン島を拠点にするととても便利ですよ。
グレートバリアリーフにある島の中でもある程度施設の整った島がハミルトン島。島泊でグレートバリアリーフを満喫するのも最高です!
DATA ハミルトン島 所在地:Hamilton Island, Great Barrier Reef Marine Park, Whitsundays Queensland, Australia 公式サイト:ハミルトン島
レディマスグレイブ島
南北に長く連なるグレートバリアリーフの南端に位置する「レディマスグレイブ(Lady Musgrave)島」は、ブリスベンから車で4時間のバンダバーグ沖合にある珊瑚でできた無人島です。珊瑚礁に囲まれたラグーンの中にあり、グレートバリアリーフの中で唯一そのラグーン内への船の出入りが許可されています。
珊瑚に囲まれた天然プールのようなラグーンは、波も穏やかで透明度も抜群、初心者でも安心です。様々な種類のサンゴが生息し、その中を悠々と泳ぐマンタやウミガメにも遭遇できます。珊瑚礁でできた島なので、ビーチの砂浜も細かく割れたサンゴそのもの。結構硬いので、実は歩くのもちょっと痛いです。
手付かずの自然が残る島では、毎年40,000羽以上訪れるというアジサシやミズナギドリなど野鳥の鳴き声が響き、地面には産卵のために訪れたウミガメが掘った穴が無数に空いています。まさに、グレートバリアリーフの生態系を肌で感じることができるワイルドな島です。
最近は沖合にトイレやシャワー、宿泊施設も兼ね備えたポンツーン(浮島)も建設されたそう。ワイルドすぎる大自然はちょっと‥‥という人には安心ですね。
DATA レディマスグレイブ島 所在地:Lady Musgrave Island, Great Barrier Reef Marine Park, Queensland, Australia
世界遺産から危機遺産へ?!
2021年、ユネスコがサンゴの減少や劣化の影響から、グレートバリアリーフを「世界遺産から危機遺産への移行を検討する」と言うニュースがオーストラリアを駆け巡りました。これには政治的な背景もあるようですが、慌てたオーストラリア政府は珊瑚礁の保護に大金を投入することや「サンゴの回復が順調に進んでいる」などのロビー活動をすることで、「危機遺産」リスト入りを何とか回避しました。
海水温の上昇や度重なるサイクロンの襲来など、気候変動については急激な回復は難しいですが、環境汚染など人為的な被害は私達一人一人の努力が必要です。オーストラリアが誇る大自然の神秘的な世界、世界中の人が憧れる美しい珊瑚礁、グレートバリアリーフの圧倒的な美しさをこの目で見た筆者としては、何としてでも今後も守り続けたいと願わずにはいられません。
グレートバリアリーフへの海外旅行は再開しています!
これまでは、日本への帰国の際の制限が厳しいことで、海外旅行ができない状態でしたが、日本政府は帰国者の入国制限を大幅に緩和しています。
そのことで多くの旅行会社がツアーを再開。まだコロナ禍同様とはいかないので、心配な人は旅行会社のツアーを使って海外旅行再開はいかがでしょう?
6月1日以降「渡航先から帰国する72時間前に、現地で日本政府が指定する新型コロナウィルス検査の陰性証明書を取得。チェックイン時に提示」できれば、とてもスムーズに日本入国できますよ!現地で陰性証明書の取得が不安な場合、ツアーによってはサポート付きの場合も多いのです。
グレートバリアリーフは日本から直行便も!
グレートバリアリーフの玄関口であるケアンズには、日本からの直行便があります。オーストラリアの主要都市の中でも一番北側にあるため、日本からの飛行時間も7時間と他の都市に比べて若干短め。日本を夜出発し、早朝にケアンズに到着します。時差も1時間のみなので時差ボケに悩まされることなく、1日を有意義に過ごすことができるのも嬉しいですね。
実は2020年から新型コロナウイルスの影響で運休が続いていましたが、何とジェットスター航空の2022年7月21日から成田ーケアンズ便、7月26日から関空ーケアンズ便の復活が決定しました。LCCのジェットスター航空を使って航空券代を抑えつつ、限られ得た日程を有意義に使って、夏休みをグレートバリアリーフで過ごしましょう!