オーストラリアは海に囲まれた広大な大地に固有の動植物が暮らす大自然の国であり、シドニーやメルボルンなど世界有数の都市がある、大都市と大自然の両方が楽しめる国。オーストラリアに旅行しようと決めた時、誰もがぶち当たる壁こそ「広すぎてどこに何があるかわからない」「グレードバリアリーフに行きたいけど、ほかにも周遊できる都市がどこにあるのかよくわからない」ということ。在住者の私がオーストラリアで特に人気のある都市や行くべき都市の魅力をご紹介します!
「オーストラリア=コアラ」という人もいるかもしれませんが、もちろんコアラに会えるものの、それは魅力のたった一部。
オーストラリアの有名なスポットはどの都市にあるのか、把握してから旅の計画を立てましょうね!
目次
1. シドニー(NSW州)
世界遺産のオペラハウスやハーバーブリッジで有名な「シドニー(Sydney)」は、NSW(ニュー・サウス・ウェールズ)州にあるオーストラリア最大の都市。入り組んだ海岸線が市内に240kmも続いているので、街にいながらして海を感じられるハーバー・シティです。
特にオペラハウスやハーバーブリッジのある海の玄関口・サーキュラー・キーやロックスは、イギリスからオーストラリア大陸への入植が始まった歴史ある地区。海の街・シドニーを感じ、歴史を知るためにも必ず訪れたいエリアです。
またシティから車を30分走らせるだけでビーチにたどり着けるのも、シティと自然が近いシドニーの特徴。人気のボンダイ・ビーチやフェリーで行けるマンリー・ビーチなど数ある美しいビーチに訪れ、海を眺めながらカフェやレストランで美味しいフードを楽しみましょう。
シドニーの絶対に外せないおすすめ観光地や見どころ、グルメスポットは下の記事に書かせていただいたので、要チェック!
2. メルボルン(VIC州)
VIC(ヴィクトリア)州の州都でもあり、シドニーに次ぐオーストラリア第2の都市「メルボルン(Melbourne)」。雑誌「エコノミスト」が毎年発表する「世界で最も住みやすい都市」ランキングでも常に上位にランクインすることでも有名な街です。
ヨーロッパのような風情ある建物が今も残っており、1800年代に建てられた歴史あるショッピング・アーケードブロック・アーケード(Block Arcade)やロイヤル・アーケード(Royal Arcade)ではエレガントな気分でショッピングが楽しめます。
またオーストラリアの中でカフェ文化発祥の地と言われるほど、美味しいカフェが立ち並ぶ「カフェ激戦区」でもあります。大通り沿いにはもちろん小さな路地にまでカフェが林立しているので、メルボルンに訪れたら是非路地裏散策して美味しいカフェを探してみましょう。
3. ブリスベン(QLD州)
オーストラリア第3の都市であるQLD(クイーンズ・ランド)州の州都「ブリスベン(Brisbane)」は、一年を通して晴れの日が多いので「Sunshine State(太陽の州)」とも呼ばれています。市内中心部にはブリスベン川が流れ、大都市にもかかわらずどこかのんびりした雰囲気も。2032年オリンピックの開催地として最近話題で、これが実現すれば1956年のメルボルン、2000年のシドニーに次いで3回目の開催になります。
ブリスベンCBDから川を挟んで南側にある「サウスバンク(South Bank)」は、レストランやバー、劇場や美術館、公園もあるカルチャーの中心的なエリア。都市の中では珍しい白い砂浜とヤシの木が生い茂るストリート・ビーチ(Street Beach)もあるので、対岸の高層ビル群を眺めながら泳いでみましょう。
4. ゴールド・コースト(QLD州)
57km続く美しい海岸線に「サーファーズ・パラダイス(Surfers Paradise)」など有名ビーチが並ぶ、QLD州きっての一大リゾート「ゴールド・コースト(Gold Coast)」。波が高くサーフィンスポットとして人気ですが、白砂の美しいビーチは家族連れや観光客で賑わいます。
ビーチ沿いにはホテルやレストラン、ショップが並び、内陸には運河沿いに美しい住宅が立ち並ぶ落ち着いたエリアも。シーワールド(Sea World)やドリームワールド(Dreamworld)などのテーマパークや動物園などのアクティビティ施設も充実しているので、子供連れでも安心です。少し足を伸ばせば世界遺産のスプリングブルック国立公園(Springbrook National Park)で熱帯雨林の大自然やナチュラル・ブリッジ、土ボタルも鑑賞できます。
5. ケアンズ / グレートバリアリーフ(QLD州)
2,600km続く世界最大のサンゴ礁地帯が世界自然遺産に登録されている「グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)」。その玄関口である街が、QLD州の北部にある「ケアンズ(Cairns)」です。日本からも直行便が出ているのでアクセスしやすく、世界各国から観光客が訪れるオーストラリア有数の人気スポット。
大小様々な島が900以上も連なり、水の透明度も抜群。ダイビングやシュノーケリングで美しいサンゴ礁や魚達を観たり、SUPやシースクーターなどのアクティビティでマリンスポーツを楽しみましょう。
また人口約16万人程度の小さな街ながら、グレートバリアリーフと「クイーンズランドの湿潤熱帯地域(Wet Tropics of Queensland)」の合わせて2つもの世界遺産があります。熱帯雨林の原生林を探検して、手付かずの自然を満喫してみてはいかがでしょう。
6. パース(WA州)
オーストラリア大陸の約1/3の面積を占めるWA(西オーストラリア)州。その州都である「Perth(パース)」はオーストラリア第4の都市です。美しいスワン川が流れるシティの美しい街並みと、少し足を伸ばすとCottesloe Beach(コーテスロー・ビーチ)やShell Beach(シェルビーチ)などの透明度の高いビーチ、砂漠に現れる奇石群「Pinnacles(ピナクルズ)」、波のように見える巨大岩「Wave Rock(ウェーブ・ロック)」などの独特な大自然が広がっています。
ロットネスト島
パースからフェリーで90分で行けるリゾートアイランドRottnest Island(ロットネスト島)では、島のあらゆる場所で「世界一幸せそうな動物」と言われるクオッカ(ワラビーの一種)に出会うことができます。口角が上がって笑顔に見える愛らしい表情を見せるクォッカと、是非一緒にセルフィーを撮影してみましょう。
7. アデレード(SA州)
SA(南オーストラリア)州の州都でオーストラリア第5の都市である「アデレード(Adelaide)」は、街自体は約2.6km×1.6kmととてもコンパクト。碁盤の目状に広がるシティ内に歴史や文化、グルメスポットが凝縮され、その周辺を緑豊かな公園が囲っている美しい街です。2021年の雑誌「エコノミスト」による「世界で最も住みやすい都市」ランキングでは、第3位に選ばれました。
アデレードに訪れたら必ず訪れたいのが、オーストラリア国内の50%近いワイン生産量を誇り「オーストラリア随一のワイン州」と呼ばれる南オーストラリア州ならではのワイナリー。バロッサ・バレーやマクラーレン・ベール、クレア・バレーやアデレード・ヒルズなどの有名産地は、アデレードの都心からも近くアクセス抜群。アデレードに訪れたらワイナリーを巡り、オーストラリアン・ワインを楽しまないわけにはいきません。
「オーストラリアのガラパゴス」とも呼ばれるカンガルー島
アデレードでもう一つ外せないのが「オーストラリアのガラパゴス」とも呼ばれるカンガルー島(Kangaroo Island)。今でも島の半分以上に手付かずの自然が残っています。アデレード市街からは南へ100km、車とフェリーを乗り継いで約3時間で訪れることができます。島の名前にもなっているカンガルーをはじめ独自の進化を遂げた野生の動植物達に会いに行きましょう。
8. ウルル / エアーズロック(NT)
世界最大級の一枚岩で、先住民アボリジナル・ピープルの神聖な場所である「ウルル(エアーズロック)」。オーストラリア大陸のほぼ中央に位置し、NT(ノーザン・テリトリー / 北部準州特別地域)のウルル=カタ・ジュタ国立公園(Uluru-Kata Tjuta National Park)内にある世界遺産です。
岩の周囲は約9.4km、高さ348 m(地中も入れると何と867m!)というこの巨大な一枚岩の歴史は、何と5億5000万年前に遡ります。壮大な大地に鎮座するダイナミックな岩が、日に照らされて赤く光る様子は力強さを感じます。アボリジナルの人々が崇める神秘的なパワーが溢れる、世界中から多くの人たちが訪れるパワースポットです。
9. ホバート(TAS州)
オーストラリア最南端にある一番大きい島であり、最小の州であるTAS(タスマニア)の州都「ホバート(Hobart)」。湾岸沿いに歴史的な砂岩の建物が連なるサラマンカ・プレイス(Salamanca Place)やそこで週末で行われるマーケット、地中にある個性的な現代美術館MONA(Museum od Old and New Art)は一見の価値あり。また国立公園や世界遺産のタスマニア原生地域を含め、島の40%以上が保護地域に指定されているほど壮大な大自然に囲まれています。
新鮮なシーフードとワインが有名で、獲れたてのアワビやウニ、オイスターが楽しめるのもタスマニアならでは。冷涼な気候ならではのキリッとしたシャルドネやピノ・ノワール、特にシャンパン製法で作られたスッキリとしたスパークリングも人気です。最近ではクラフト・ジンも注目されています。タスマニアを訪れたら、ぜひ美味しいシーフードとワインを堪能してください。
10. バイロン・ベイ(NSW州)
シドニーと同じNSW州にあり、オーストラリア大陸最東端にある「バイロン・ベイ(Byron Bay)」。波の高いサーフィンスポットや美しい砂浜のビーチがサーファーやバックパッカーに人気でしたが、最近ではヨガやリトリートに着目した「ウェルネスの聖地」としても大人気のエリアです。
新鮮なローカル食材を使ったレストランも多く、ボヘミアンな雰囲気漂うファッションやインテリアのお店が多いのもバイロンならでは。バイロン・ベイを訪れたら都会の喧騒を離れて、ビーチで朝日を浴びながらヨガをしたり、オーガニックな食材を食べて体の中からリフレッシュしたり、「バイロン」に流れる独特な、のんびりとした時間を楽しみましょう。
NSW州内にありますがシドニーからは車で9時間以上掛かるので、QLD州ゴールドコーストからが一番アクセスしやすいです。
オーストラリアでコアラを抱っこ
オーストラリアと言えばコアラを連想される方も多いと思いますが、コアラを抱っこできるのは世界中で実はオーストラリアだけ。オーストラリアに訪れたら「コアラ抱っこ」は外せないイベントですが、コアラは絶滅が危ぶまれている動物なので、州によって保護条例が異なり「抱っこができる州」と「抱っこができない州」があります。
抱っこができるのはQLD(クイーンズ・ランド)州、SA(南オーストラリア)州、WA(西オーストラリア州)の3州のみで、残念ながらシドニーやメルボルンでは抱っこすることができません。その代わり各動物園ではコアラと記念撮影ができるイベントなども開催しているので、訪問する州の動物園やワイルドライフ・パークをチェックしてみましょう。
見所満載のオーストラリアに出掛けよう!
今回は広大なオーストラリアの有名スポットがどこにあり、そのスポットを有する都市の魅力を紹介しましたが、他にも首都「Canberra(キャンベラ)」をはじめ、広い広いオーストラリアには、まだまだご紹介しきれないほど魅力のあるスポットがたくさんあります。是非、この記事を参考にして、来るべきオーストラリア旅行の計画を立てつつ、オーストラリアの魅力を満喫する旅に出かけましょう。