たびハピ

ピサの観光スポットおすすめはどこ?斜塔以外も魅力的


ピサの斜塔については大部分の人が実際に見たことはなくても知っていると思います。でも他の観光名所を知っている人はリピーター以外あまりいないのではないでしょうか?
世界的に有名な「ピサの斜塔」を含め旧市街が世界遺産に登録されているピサ。他にもあまり知られていない見どころがいっぱい!
イタリア在住ライターがピサのおすすめ観光名所を案内します。

ピサの斜塔

ピサを語るならまずはこれを紹介しないと始まらない!というわけで、まず紹介するのはピサの斜塔。
傾いているので斜塔として有名ですが、実は大聖堂の横にある鐘楼(鐘を設置するための塔)です。塔の上にはたくさんの鐘が付いていますが、実際に鐘を鳴らすと傾斜に影響するとのことで現在は時間になるとスピーカーから鐘の音が流れる仕組みになっています。

そしてピサの斜塔と言えば、あのガリレオ・ガリレイが重力の実験を行った場所としても有名!斜塔の上から大きさの違う2つの鉄球を落とし「重力による落下速度は物体の重量によらず一定である」という「落下の法則」を証明したと言われています。ただこのお話、実際に実験が行われたかについては諸説あります。
確かに、この傾き具合だと落下の実験をするには最適ですよね!

斜塔の一番上に取り付けられている鐘。大小いくつもの鐘が設置されているので、確かにすべての鐘を鳴らすと振動で塔が崩れてしまいそう…(汗)

1173年から始まった建築工事が終了し、約56mの斜塔が完成したのは1372年。建築にはとても長い時間がかけられました。というのも建築が始まって数年後には地盤沈下により塔が傾きはじめ、傾斜を修正しながらの建築が続けられたのですが、結局傾きは修正できずそのまま1372年に完成となったのだそう。傾斜を修正できなかったため、塔の一番上の部分のみ鉛直(地面に対して垂直)に建てられています。

※塔の写真をよ~く見ると、一番上の部分だけが地面に対して垂直になっているのが分かりますよ!

1990年から2001年までの間に改修工事が行われ、現在の傾斜角度は3.99度。2021年現在、事前に予約をすれば塔の上まで昇ることができます(有料)。内部の階段は296段で他の町の鐘楼に比べると低く、徒歩でも比較的楽に上まで昇れますよ。

斜塔の上からはピサ旧市街を一望~!

斜塔の上からの眺め

また、塔に施された細やかな装飾も登ってみなければわかりません。ピサの斜塔に実際に登った時の様子はこの記事に書かせていただきました!

DATA
ピサの斜塔
所在地:Piazza del Duomo, 56126 Pisa PI, イタリア
URL:ピサの斜塔公式ページ(英語)
開館時間:毎日9時~19時
定休日:無し
※予約をすれば斜塔の上に登ることができます(階段のみ)
※8歳未満のこどもは安全上の理由により登ることができません

ドゥオモ(大聖堂)

11世紀半ばに建設が始まり、12世紀に完成したドゥオモ(大聖堂)。この時期に多く建てられたロマネスク様式の建築物で、ドゥオモの形は真上から見るとラテン十字型(縦長の十字)になっています。

ドゥオモを上から見たところ

ドゥオモ内部は薄暗く厳正な雰囲気。実はこのドゥオモの中にも、ガリレオ・ガリレイにまつわる有名なエピソードがあります。

ドゥオモ内部に吊り下げされている巨大なランプ。このランプがゆらゆらと揺れる様子を見たガリレオは「振り子の揺れが大きい時も小さい時もかかる時間は同じ」という「振り子の法則」を発見したとか。(※事実については諸説あり)
やはり天才は、凡人が気づかないところに気づくんですねぇ…すごい!

ドゥオモ内部

内部の見学は無料ですが、ドゥオモ周辺の建築物への入場チケットが必要です(他の建築物へのチケットの中にドゥオモの入場許可が含まれています)。

入場共通券(2021年11月現在)
・ドゥオモ+カンポサント(納骨堂)1名7ユーロ
・ドゥオモ+洗礼堂 1名7ユーロ
・ドゥオモ+オペラ博物館(※1) 1名7ユーロ
・ドゥオモ+Sinopie博物館(※2) 1名7ユーロ
・ドゥオモ+カンポサント+洗礼堂+オペラ博物館+Sinopie博物館 1名10ユーロ
・ドゥオモ+斜塔 1名20ユーロ
・ドゥオモ+斜塔+カンポサント+洗礼堂+オペラ博物館+Sinopie博物館 1名27ユーロ

※1 絵画や考古学的発見など、礼拝堂・洗礼堂の宝物が展示されている
※2 1300 年代に建設された建物で、中には復元されたフレスコ画等が展示されている

ドゥオモの正面にはブロンズの扉が3つあり、中央の扉には聖母マリアの生涯、左右の扉にはイエス・キリストの生涯が描かれています。それぞれのブロンズの扉の上には半月型のルネッタがあり、中央は聖母マリア、左は聖レパラータ、右は洗礼者ヨハネがモザイクで装飾されています。

正面に3つあるブロンズの扉。中央の扉には聖母マリアの生涯、左右の扉にはイエス・キリストの生涯が描かれています
右のブロンズの扉の上にあるモザイクは「預言者ヨハネ」
左のブロンズの扉の上にあるモザイクは「聖レパラータ」
DATA
ドゥオモ(大聖堂)
所在地:Piazza del Duomo, 56126 Pisa PI
URL:公式サイト(英語)
開館時間:月~土曜日10時~19時、日曜日13時~19時
入場料:無料(他の建築物への入場チケットが必要)

サン・ジョバンニの洗礼堂

ドゥオモ(大聖堂)の西側に位置する円筒状の建物が「サン・ジョバンニの洗礼堂」。直径は35m、高さは約55mの建物で、天井が高いため音響効果が素晴らしいと言われています。
1152年に建設が始まり、完成までには200年以上もの長い年月がかかりました。そのため、洗礼堂の下部はロマネスク様式、上部はゴシック様式になっています。建物の上下が別の様式になっていることで、完成までにかなり長い時間がかかったことが分かりますよね。

内部の見学は有料。洗礼堂への入場券を購入すれば、同じチケットでドゥオモ(大聖堂)の見学もできます。

洗礼堂の彫刻や装飾もすばらしい!ぜひ近くでじっくり見てみて
入口の扉上の彫刻
入口の扉横の彫刻
DATA
サン・ジョバンニの洗礼堂
所在地:Piazza del Duomo, 23, 56126 Pisa PI
開館時間:2021年10月11日よりクーポラ修復工事が始まっているため2021年11月現在内部の見学は不可。工事終了時期は未定です
料金:1名7ユーロ(同じチケットでドゥオモ内の見学も可能)
その他の共通券はこちら
・ドゥオモ+カンポサント+洗礼堂+オペラ博物館+Sinopie博物館 1名10ユーロ
・ドゥオモ+斜塔+カンポサント+洗礼堂+オペラ博物館+Sinopie博物館 1名27ユーロ

アルノ川沿い

フィレンツェと同じように、旧市街の真ん中をアルノ川が流れているピサ。アルノ川はフィレンツェの北にあるアペニン山脈から始まり、フィレンツェ・ピサの町中を通った後、ピサの西側にあるティレニア海に注ぐ長さ241㎞の川です。フィレンツェを流れていた水が、その後ピサまでやってくるんですね!

旧市街散策では、このアルノ川沿いをゆっくり歩くのもおすすめです。天気が良ければ気持ちのいい散歩ができますよ!ここでは、アルノ川沿いにある見どころ2つを紹介します。

夜のアルノ川沿いも素敵!

サンタ・マリア・デッラ・スピーナ教会

アルノ川沿いにひっそりと佇む小さな教会。1230年に建てられたロマネスク・ゴシック様式の教会で、置物のようにかわいらしい外観が目を引きます。

開館時間が不定期なので、内部を見学したい場合は開館時間に注意してください。内部は無料で見学できます。アルノ川沿いの散策途中にぜひ立ち寄ってみてくださいね!

DATA
サンタ マリア デッラ スピーナ教会
所在地:Lungarno Gambacorti, 56125 Pisa PI
URL:ピサ市サイト(イタリア語)
開館時間:月・水・金曜日9時~13時、火・木曜日9時~13時/15時~17時
入場料:無料

アゴスティーニ宮

アルノ川沿いにあるアゴスティーニ宮は、14世紀後半から15世紀にかけて建てられたテラコッタの外観が印象的な建物。この建物だけがテラコッタの外観を残しているので、通りを歩いていても周辺の建物と比べてとても目立ちます。特に天気がいい日は、青空にテラコッタの色が映えてなんとも素敵な景色に。

DATA
アゴスティーニ宮
所在地:56126, Lungarno Antonio Pacinotti, 26, 56125 Pisa PI
URL:FACEBOOKページ(公式サイトなし)

カバリエリ広場

初代トスカーナ大公・メディチ家のコジモ1世の像があるルネッサンス時代の広場。広場を囲む建物や教会はどれも見ごたえのある建築物ばかりなので、ピサに行ったらぜひ訪れて欲しい見どころの一つ。
広場に並ぶ建物の中でも、一番の見所は次に紹介する「カロヴァーナ宮」です。

広場は立派な建物でぐるりと囲まれています。写真の右手に写るのは「時計宮」
DATA
カバリエリ広場
所在地:P.za dei Cavalieri, 56126 Pisa PI

カロヴァーナ宮

1562年から1564年にかけて建築家ジョルジョ・ヴァザーリによって建てられた宮殿。建物の前にはメディチ家のコジモ1世の像があります。現在はピサ高等師範学校として使用されているため内部の見学はできませんが、建物の装飾や壁の絵は素晴らしい!ぜひ近くからじっくり見てみて。

ジョルジョ・ヴァザーリと言えば、フィレンツェの「ウッフィツィ美術館」や「ヴァザーリの回廊」を建築した建築家。メディチ家のコジモ1世のお抱え芸術家として数々の素晴らしい建築物を建築しました。
フィレンツェのウッフィツィ美術館については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

DATA
カロヴァーナ宮
所在地:P.za dei Cavalieri, 7, 56126 Pisa PI
※建物は高等師範学校として使用されているため、内部の見学はできません

キース・へリングの壁画「Tuttomondo(トゥットモンド)」

ピサは巨大アートがある町としても知られています。ピサ中央駅近くのサンタントニオ・アバーテ教会(Chiesa di Sant’Antonio abate)の南側の壁面に描かれた壁画「Tuttomondo(トゥットモンド)」がそれ。

1990年に亡くなったアメリカ人アーティスト「キース・へリング(Keith Haring)」による作品で、1989年作と、晩年に制作されたアートのひとつです。壁の高さは180mあり、1週間かけて制作された「平和と調和」がテーマとなった作品です。

子どもと行ったらここでも盛り上がります(笑)

ピサの町中にこんな大きな壁画があるなんて驚き!ピサに行ったらぜひ立ち寄ってみてください。壁画の向かいにはカフェもあるので、壁画を眺めながら休憩もできますよ♪

DATA
Tuttomondo(トゥットモンド)
所在地:P.za V. Emanuele II, 18, 56125 Pisa PI

番外編 マリーナ・ディ・ピサ

ピサの町から西に15㎞ほど行くと、海沿いの町「マリーナ・ディ・ピサ」があります。車なら約20分、バスなら40分~1時間30分ほど(時間帯や交通状況により変わります)で行くことができますよ!

青い海と白い石のビーチのコントラストが素敵。パラソルも絵になります。

キレイに整備された海沿いの通りや広場が好印象。ビーチは砂ではなく石なので、波打ち際まで履物は必須です(履物がないと足が痛くて歩けません…涙)。この日は波が高かったのであまり泳いでいる人はいなかったのですが、ビーチで日光浴をしている人がたくさんいました。
町には評判のいいシーフードレストランがたくさんあるので、食事がてら足を延ばしてみるのもおすすめ!

ピサ旧市街からマリーナ・ディ・ピサへの行き方

ピサから車で行く場合は20分くらいで簡単に行けますが、バスで行く場合は少し複雑。斜塔がある「ミラコリ広場」から行く方法と、ピサ中央駅から行く方法を紹介します。

ミラコリ広場からバスで行く場合

所要時間は約50分~1時間30分(時間帯や交通状況によっても差があります)

  1. ミラコリ広場の西側の停留所「Torre1」から赤線バス「LAM Rossa」でピサ中央駅近くの停留所「Pellico」へ
  2. 「Pellico」の停留所から3分ほど歩き「Sesta Porta」の停留所へ
  3. 「Sesta Porta」の停留所から10番のバスでマリーナ・ディ・ピサの「V.Mariconi」の停留所へ
  4. 「V.Mariconi」の停留所から3分ほど歩けば海沿いの通りにでます

※「Torre1」のバス停は、下記の地図「Po’stò Cafè Pisa」のお店のすぐ外にあるバス停です↓

ピサ中央駅からバスで行く場合

所要時間は約40分~1時間強(時間帯や交通状況によっても差があります)

  1. ピサ中央駅から5分ほど歩き「Sesta Porta」の停留所へ
  2. 「Sesta Porta」の停留所から10番のバスでマリーナ・ディ・ピサの「V.Mariconi」の停留所へ
  3. 「V.Mariconi」の停留所から3分ほど歩けば海沿いの通りにでます

ピサの斜塔だけじゃないピサの魅力を楽しんで

いかがでしたか?今回はピサ旧市街と郊外の観光スポットを紹介しました。
斜塔以外にもたくさんの、魅力的な場所があるピサ。フィレンツェからの日帰り客が多いからこそ、わざと宿泊してピサの町ごと楽しんでみるのもありかもしれません。

ピサへの行き方はこの記事を参照にしてくださいね!

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