プロミスをはじめとする消費者金融からの借り入れでは、貸金業法で定義されている「総量規制」というルールによって借入額が制限されています。
ただし、消費者金融におけるすべての借り入れに「総量規制」が適用されるわけではありません。
この記事では、プロミスで総量規制以上の借り入れを行う方法から、リスク・注意点などを総合的に解説します。
監修者の解説
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金子賢司(かねこけんじ)/ファイナンシャルプランナー
総量規制以上の借り入れができる代表的な商品におまとめローンがありますが、いったん利用すると、おまとめローンを利用している消費者金融からそれ以上の借り入れを利用することは基本的にできなくなります。
また事業主向けのカードローンも総量規制以上の借り入れが可能ですが、借入額が多ければ返済負担が大きくなります。
いずれにしても総量規制以上の借り入れをする際は、相応のリスクがあることもご留意ください。
プロミスで総量規制以上の借り入れを検討するならおまとめローン
結論からお伝えすると、プロミスで総量規制以上の借り入れを行える方法として「おまとめローン」があります。
具体的な「おまとめローン」の商品詳細は以下のとおりです。
融資額 | 最高300万円 |
契約額 | 申込者指定の契約額の範囲内で プロミスが決定した金額 |
金利適用方式 | 単一金利 |
借入利率 (実質年率) | 6.3%〜17.8% |
延滞利率 (実質年率) | 20.0% |
返済方式 | 元利定額返済方式 |
返済期日 | 5日・15日・25日・末日の いずれかから、申込者の都合で選べる |
返済期間 /返済回数 | 最終借入後最長10年/1回〜120回 |
申し込みできる方 | 年齢20歳以上、65歳以下で 安定した収入のある方 |
資金使途 | ほかの貸金業者からの借入金返済に限る |
借換対象のローン | 消費者金融・クレジットカードなど における借入(無担保ローン) |
担保・保証人 | 不要 |
「おまとめローン」とは、複数の貸金業者からの借り入れをひとつにまとめて、返済していくローンです。
カードローン・キャッシングサービスを複数利用していると、それぞれの借入先に対して返済が必要となり、一つひとつの借り入れの返済金額は少額でも、合計の支払い負担は大きくなります。
おまとめローンを利用することで、借入先をひとつにまとめ、返済管理がしやすくなり、毎月の支払い負担が軽減される可能性があるのです。
プロミスで総量規制以上に借り入れできる?
一般的に提供されているフリーローンについては、総量規制以上に借りられません。
ただし、前述した「おまとめローン」の場合は、「ローン金利が下がり、返済が楽になる」利用者側にとって有利なローンです。
このように、利用者側にとって有利に働く「おまとめローン」については、総量規制の対象外となります。
そもそも総量規制とは
総量規制とは、貸金業者から借りられるお金の総額を規制する法律です。
改正された貸金業法によって2006年12月から公布され、2007年1月から段階的に施行が進められ、2010年6月に完全施行されました。
総量規制の目的は、貸金業者による過剰貸付を規制することと、多重債務の返済に苦しむ人たちを救済することです。
その効果は大きく現れており、施行直後の2007年2月から2011年4月までの間に「5社以上からの貸金業者から借り入れている多重債務者は約100万人減少」「個人破産はピーク時からほぼ半減」となっています。
特別な事情があれば可能性あり
「年収の3分の1」を超える借り入れであったとしても、総量規制の対象外、あるいは除外対象となる場合があります。
具体的に「除外貸付」と「例外貸付」に分類されるため、覚えておきましょう。
除外貸付
総量規制になじまない貸し付けを「除外貸付」と呼びます。具体的には、以下のようなものがあります。
・不動産ローン、またそのためのつなぎ融資
・マイカーローン
・高額医療費の支払いのための貸し付け
例えば、不動産ローンは利用者が日常的に行う借り入れとは違い、高額で返済が長期にわたるものです。
このような不動産ローンの性質上、多重債務に陥る危険性が少ないと考えられており、総量規制から除外されています。
例外貸付
利用者の利益の保護に差し障りがない貸し付けは、「例外貸付」といいます。
以下が具体的な例です。
・配偶者の収入を含めた年収の3分の1以下の貸し付け
・個人事業者に対する貸し付け
・顧客に一方的に有利となる借り換え
・緊急の医療費の貸し付け
支払い能力に問題がなく、緊急性が高いと貸金業者が判断されると、年収の3分の1を超えても例外として貸し付けの契約ができる場合があります。
プロミスで総量規制以上に借りる方法
ここまで総量規制が制定された理由などを紹介してきました。
次に、プロミスにおいて総量規制以上にお金を借りる方法を紹介します。
個人事業主向けの自営者カードローン
プロミスでは、個人事業主向けに自営者カードローンを提供しており、総量規制の例外が適用されています。借りたお金は事業用資金として使用できることはもちろんのこと、生活費としても活用できます。
最高300万円まで借りられるため、人によっては総量規制以上の額を借りられる可能性があります。
ただし自営者カードローンを申し込む場合には、第三者から見て個人事業主であることを確認できなければなりません。
「本人確認書類」「収入証明書」のほかに、「営業許可証」「受注書」「発注書」など実際に事業を営んでいることが分かる書類が求められます。
他社の借り入れがあるならおまとめローン
他社からの借り入れがある場合には、「おまとめローン」がお得になります。
前述したように「返済負担を軽減する目的で、複数のカードローンをひとつにまとめる」ことで、申込者の返済負担を減らす効果が期待できます。
ただし「低金利のローン」をまとめる場合には、「利息が減る」効果が薄くなってしまうため、あらかじめシミュレーションを行って、メリットがあるかを確認したうえで申し込みましょう。
総量規制の上限を超えた借り入れの考えられるリスク
プロミスにおける総量規制の上限を超えた借入方法を紹介してきました。
上記方法を活用することで、確かに上限を超えた借り入れは可能ですが、リスクもあることを確認しておくべきです。
以下で、総量規制上限を超えた借り入れのリスクを紹介します。
返済が困難になる可能性がある
例えば、複数社から借り入れを行っている方が「おまとめローン」を活用して、総量規制以上の借り入れをすると「低金利になる」「返済日が1回になる」など、毎月の返済でメリットが得られます。
ただし、「金利が低い」とはいえ大きな金額を借り入れている事実は変わりません。
長期での返済が余儀なくされることも含めて、返済が困難になることも十分に考えられます。
返済が遅れると遅延損害金など余計な支払いが発生する
総量規制以上のお金を借りることで、毎月の返済が難しくなる場合も考えられます。
もしも返済が遅れてしまった場合には、毎月決められた金額を支払う「約定返済」とは別に、「遅延損害金」を支払う必要があります。
遅延損害金は、以下の式で計算できます。
遅延損害金 = 延滞元金 × 遅延損害金利率 ÷ 365日(※)×延滞日数
※うるう年の場合は366日
プロミスのおまとめローンでは、遅延損害金の利率が20.0%と規定されていて、大きな負担になるので注意してください。
信用情報が悪化する可能性がある
総量規制以上の借り入れを行って、返済ができなくなった場合に、延滞の記録が信用情報機関に登録されます。
信用情報機関とは、銀行・消費者金融などの金融機関から提供された信用情報を管理・提供する機関のことです。
融資・ローンサービスを提供する金融機関は、審査の際に申込者の信用情報を信用情報機関から確認して、貸し付けをしても問題がないかどうかを判断しています。
上記理由から、信用情報が悪化してしまった場合には、基本的にローン審査に通過できなくなるため注意が必要です。
プロミスで総量規制以上に借りるときの注意点
ここまで、総量規制を超えた借り入れから考えられるリスクを紹介してきました。
「おまとめローン」を活用すると、金利や返済負担軽減など有利な点もありますが大きな金額を借りている事実は変わらないため注意する必要があります。
次に、総量規制以上の融資を受ける場合の注意点を押さえておきましょう。
複数社への申し込みはNG
審査落ちとなることを想定して複数社に申し込みを行うことを考える方がいますが、実際にはおすすめできません。複数の会社へのカードローン申込履歴は、個人の信用情報に記録されます。
短期間に複数の会社に申し込みを行うと、信用情報機関に「申込情報」が複数残ってしまい、情報を参照した会社から「資金繰りにかなり困っているのでは」と疑われ、審査に落とされる可能性が高くなります。
年収の虚偽申請はバレる
例えば、総量規制以上のお金を「おまとめローン」を利用して借りる場合には、審査のタイミングで必ず「収入証明書」の提出が求められるため、虚偽申告を行ったとしても必ずバレてしまいます。
プロミスをはじめとする大手消費者金融では、これまで審査した膨大なデータを保有しており、そのデータと勤務先や勤続年数などから、おおよその年収を推定できます。
借り入れの前に返済計画を立てる
どんなに「おまとめローン」などを活用して、金利が優遇されたとしても「借入金を抱えている」事実は変わりません。
実際にローンシミュレーションなどを活用して、どの程度の金利が発生するかを確認したうえで、無理のない返済計画を立てましょう。
総量規制以上にお金を用意したいときの注意点
総量規制とはあくまで、貸金業者向けの法律である「貸金業法」の中で定義されているため、総量規制以上にお金を借りる方法はいくつかあります。
ただし、どれもおすすめができない方法であるため、以下で頭に入れておきましょう。
違法業者からの借り入れは避ける
プロミスをはじめとする大手消費者金融は、金融庁に正式登録されている貸金業者です。
しかし、金融庁登録を行っていない違法業者が提供する「カードローン」いわゆる「闇金」も存在しています。
「闇金」は貸金業法を遵守していないため、総量規制以上の借り入れが可能です。
ただ、「違法な取り立て」「法外な利率」「入手した個人情報の悪用」などのトラブルに見舞われることがあるため、利用はおすすめできません。
クレジットカードの現金化は規約違反
クレジットカードの現金化とは、「ショッピング枠を利用して現金を得る行為」を指します。
現金化では、大きく分けて「買取式」と「キャッシュバック式」に分類されます。
買取式とは、金券などの換金性の高い商品をクレジットカードのショッピング枠を利用して購入した後、買取業者に買い取ってもらい現金として受け取ります。
キャッシュバック式とは、現金化を行う業者から安い金額で商品を購入して、購入特典として業者からキャッシュバックを受け取る方式です。
クレジットカードの現金化は、クレジットカード会社の規約に違反する行為であり、「資格停止」「強制退会」「残高一括請求」という処分が下されるため避けましょう。
プロミスが難しい場合は銀行カードローンも検討
プロミスをはじめとした消費者金融にかかわらず、「銀行カードローン」を利用するのも選択肢となります。
銀行カードローンは総量規制の対象外
銀行は、個人や法人に対する融資を行っていますが、「貸金業者」ではありません。そのため、銀行カードローンでの借り入れについては「総量規制」の対象外となります。
審査時に提出する収入証明書などで、「安定した収入」「返済能力」が認められた場合には、希望している金額を借り入れできる可能性もあります。
銀行は独自の審査基準あり
銀行カードローンは確かに「総量規制」の対象外ですが、独自の審査基準が銀行ごとに設定されています。
過度な借り入れが行われて顧客が返済困難に陥った場合に、「債務整理」「自己破産」などが行われると銀行側も大きな損失に繋がってしまうためです。
そのため、「総量規制」の対象外ではあるものの、決して借入額が確実に増やせるわけではないため注意してください。
プロミス以外で総量規制以上に借りられるおまとめローン
プロミスのおまとめローン以外にも、大手消費者金融では「おまとめローン」商品を取り扱っています。
以下では、各消費者金融が取り扱っている「おまとめローン」について解説しますので、参考にしてください。
アイフル「おまとめMAX」
おすすめポイント
- 借入先を一本化して返済管理を楽にできる
- 無担保ローンだけでなく、クレジットカードのリボ払いもおまとめ対象
- WEB完結に対応しており、家族に知られず申し込みから利用まで可能
銀行傘下にならずに独立系企業として地位を築いてきたアイフルの「おまとめMAX」は、複数社の借り入れをまとめられるうえ、「返済のみ」のプランであるため残債が増えることもありません。
またカードローンだけではなく「クレジットカードのリボ払い」もおまとめ対象であるため、柔軟性があります。
金利(実質年率) | 3.0%〜17.5% |
返済期間/回数 | 最長10年/1回~120回 |
最高融資額 | 800万円 |
※お申込み時間や審査状況によりご希望に添えない場合があります。
アコム「借換え専用ローン」
おすすめポイント
- 追加借入ができないため、ローンの返済が早まる
- 借換前より借入金利が下がり、利息を減らせる
- 総量規制の例外適用で、借入先一本化に便利
三菱UFJ銀行などが所属しているMUFGグループに所属しており、安定的な経営が魅力の「アコム」で提供されているのが「借換え専用ローン」です。
アイフルの「おまとめMAX」と同様に追加借入ができないため、ローンの返済が早まるほか、まとめることで借換前よりも借入金利が下がり、利息を減らす効果も得られます。
金利(実質年率) | 7.7%〜18.0% |
返済期間/回数 | 最長12年3ヶ月/1回〜146回 |
最高融資額 | 300万円 |
SMBCモビット「おまとめローン」
![モビット CPバナー](https://hapitas.jp/money_study/wp-content/uploads/2023/02/mobit_bnr_202303.gif)
おすすめポイント
- 三井住友銀行などが所属する安心のSMBCグループ
- 他社と比較しても返済期間が長めに設定されている
- 金利も抑えて、段階的に残高を減少できる
SMBCグループに所属していることで安定感のある「SMBCモビット」が提供する「おまとめローン」も人気です。最大160回払い(13年4ヶ月)というほかの消費者金融と比較しても長期間融資を受けられる点はメリットといえるでしょう。
一本化することで返済管理もしやすくなるほか、返済日を「5日・15日・25日・末日」から自分の都合にあわせて選べる点も高ポイントです。
金利(実質年率) | 3.0%〜18.0% |
返済期間/回数 | 最長13年4ヶ月/1回~160回 |
最高融資額 | 500万円 |
レイク「レイク de おまとめ」
おすすめポイント
- SBI新生銀行グループに所属している安定感のある会社
- 即日融資も可能
- 審査時間がフリーローンと同様の最短25分を実現
SBI新生銀行グループに所属する「レイク」が提供する「レイク de おまとめ」も注目を集めています。
「最高融資額500万円」としているほか、審査時間がフリーローンと同様の最短25分を実現している点は大きな強みです。
申し込みがスムーズに進められると即日融資も狙えるため、「今すぐに借金をまとめたい」方にはおすすめの商品といえるでしょう。
金利(実質年率) | 6.0%〜17.5% |
返済期間/回数 | 最長10年/最大120回 |
最高融資額 | 500万円 |
総量規制に関する借り入れのよくある質問
最後に「総量規制」に関して「おまとめローン」などの利用希望者が疑問に感じている部分について解説します。
Q1.総量規制を超えた場合どうなる?
結論として、総量規制が3分の1を超えたとしても申込者が罰せられることはありません。 あくまで「総量規制」とは貸金業者の過剰貸付を取り締まるための規制だからです。
ただし、合計借入額が年収の3分の1を超えた場合には、消費者金融から追加の借り入れはできなくなるため注意しましょう。
Q2.総量規制以上を即日で借りることはできる?
総量規制以上のお金を借りられる「おまとめローン」の場合、審査に時間がかかる傾向があります。
通常のカードローンとは異なり借入金額が大きくなるため、総量規制対象外の申込者側に有利なローンとはいえ、慎重に審査される事実は変わりません。
ただし、大手消費者金融のおまとめローンなら即日で借り入れできる可能性は十分にあります。
一方で銀行のおまとめローンでは審査の段階で警視庁データベースへの照会が義務付けられるため、即日融資ができないことを頭に入れておきましょう。
他社の借り入れがあるならおまとめローンを検討しよう
今回は、プロミスで総量規制以上を借りる方法を軸に、「総量規制」の概要から総量規制以上を借りるリスクなどを総合的に説明してきました。
「おまとめローン」を利用することで、返済管理も明確になるほか、低い金利が適用されるために結果的に利息が少なくなります。
複数社から借り入れを行っている場合には、「おまとめローン」の利用をぜひ検討してみてください。
この記事の監修者
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金子賢司(かねこけんじ)
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、金融に興味を持ち、資産運用やローンなどの勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
保有資格:CFP