2021年5月よりハワイ州では「ワクチン・トラベル・プログラム」が開始され、ワクチン接種を完了してから15日が経過した人は、ハワイ州内の島間の旅行は、自主隔離やPCR検査(陰性証明の提出)が免除となりました。さらに、6月15日からは、アメリカ本土の他州への旅行からハワイへ戻る際もワクチン接種者は、隔離や事前検査は免除に。
また屋内ではマスク着用はまだ義務化されていますが、屋外では不要となり、集会できる人数も最大10名でしたが、25名までがOKに。こうして徐々に規制緩和されていくニュースに、ハワイ州は島中喜びのムードになっています。
2021年7月中旬時点でワクチン接種率は58%となり、現在70%を目標としています。そのゴールを達成した暁には、新型コロナに関する規制を全て撤廃するとイゲ州知事は宣言しています。
目次
2021年5月からワクチン接種の予約が不要に!
ハワイでのワクチン接種は、2020年12月中旬から始まっています。まずは、医療従事者と介護施設入所者から接種可能となり、次に、政府職員、公共交通機関職員、警察官や救急隊員など「エッセンシャルワーカー」の人たちが対象となりました。その後に、75歳以上の年配者が対象となり、次に65歳以上、その後は16歳以上と移行していき、2021年5月からは12歳以上が可能に。
また、接種希望者は4月までは予約が必要でしたが、5月から近所のドラッグストアにウォークインで接種できるようになったのです。
そこで筆者が、ワクチン接種をした時の模様をご紹介します。
接種1度目:ドラッグストアでウォークイン接種
2021年5月初旬に、病院をはじめ、アメリカ最大のスーパーマーケットチェーン店Wal-Martや、その系列の会員制スーパーマーケットSam’s Club、そして、アメリカ大手ドラッグストアチェーンCVSの傘下にあるLongs Drugsで「ウォークインでワクチン接種可能」というニュースが流れました。
接種対象年齢になってからもずっと、スケジュールの都合がつかず予約できないでいたところの朗報で、5月24日に「今なら行ける!」と思い、午後3時過ぎに近所のLongs Drugsへ。
入り口には、写真のようなワクチン接種者の受付テーブルがありました。予約が必須で、ウォークインは受け付けていない時は、受付係が常駐し、ここでチェックインをしていました。しかし、この日はすでに予約不要になっていたので、「COVID-19ワクチンのチェックインは、アイル27(薬局)へ行ってください」というサインがあるだけでした。
ウォークインの場合はワクチンの在庫次第
薬局の窓口でも、特に列に並ぶことも、待つことなく「ワクチンを打ちたいのですが」と伝えると、すぐに薬剤師さんが在庫の確認をしていました。
「この後の予約の人の分を抜いても、ファイザーがあと2本あるね」という会話が聞こえ、この日に接種可能となりました。つまり、ウォークイン接種の場合でも、もし全てのワクチンが使用されてしまっていたら接種できない場合もあるということですね。
保険証を渡して、無事予約ができたところで、ワクチン接種予診票と同意書が渡され、そちらに記入します。下の欄外に書かれている数字はこの日の体温、そしてLは、接種を希望する腕(Left)を明記したもの。
記入を終えて紙を受付に渡すと「今ワクチンを冷やしているので15分くらいお待ち下さい。準備ができたら名前を呼びますので」と言われ、店内で待つことに。
それから名前を呼ばれて、カウンター脇に用意されているワクチン接種コーナーに行き、椅子に座るとすぐに看護師の方が来て、あっという間に接種完了。
「この後の反応をみるので15分はここに残ってください。また、帰る際には次回の予約をしてくださいね」と伝えられ、言われた通りに従いました。
15分後も体調に変化はなく、不調も感じなかったので、そのまますぐに受付で次回の予約をし、ちょうど3週間後の6月14日(月)に接種が決定。アメリカ疾病管理予防センター(CDC)が発行するワクチン接種レコードカードが渡されました。
これは2度目の接種の時にも必要になり、さらには今後公式の証明証になるのでとても大切なカードになります。
この日は副反応も左腕がちょっと痛重いと感じた程度で、すぐにそれもなくなり、全く生活に支障はありませんでした。
接種2度目:午前10時に事前予約をして接種
今回は6月14日(月)午前10時に予約をしたことで、1週間前と2日前に「予約リマインダー」が携帯電話にメールで送られてきました。そのメールには「当日はID、保険証、マスクを持参」という注意書きともに、「到着したら、リンクをタップしてチェックインして下さい」と書かれていました。
3週間前にあった入り口の受付テーブルは撤去されており、すぐに奥の薬局へ。
「2度目のワクチンを接種しに来た」と伝えると「予診票と同意書は、用紙またはデジタルのどちらが良いですか?」と尋ねられ、「デジタルでお願いします」と答えると、すぐに携帯電話のメールにリンクが送られてきました。 そして、前回はなかった番号がつけられた椅子が、6フィート開けて受付カウンターの前にいくつか用意されており、「では、番号3番の椅子に座ってお待ちください」と告げられます。
3番の椅子に座っている間に携帯電話でデジタル予診票と同意書の入力を済ませました。
ワクチンの準備ができると名前を呼ばれ、前回とは違う看護師が出てきてワクチンを打ってくれました。
「今日はこまめに左腕をマッサージして下さいね。そうするとそこまで痛みがないはずなので」とのアドバイスをいただき、「2番の椅子で、15分待って何も症状がなければ帰宅できます」と言われ、指示通りに待つことに。
これで無事終了。
帰り際に、ワクチンレコードのカードとともに、Longs Drugs全店で使える20%の割引券をもらいました。
気になる副反応は!?
二度目の接種の副反応が重いと噂される新型コロナウィルス感染症のワクチン。さて、そうなることでしょうか?この日は徐々に腕が痛くなり、午後から夕方にかけて体がほてってきましたがまったく生活に支障はありませんでした。ただ、夜から翌日にかけて、両腕の痛みが増してきました。
実は、この2日前にハイキングに行き、右腕が筋肉痛になっていたのですが、翌日はその右腕の痛みがワクチンを打った左腕より痛く、動かすのがちょっと辛いという症状がでました。単に筋肉痛のような気がしますが、これも一種の副反応のようです。倦怠感も若干ありましたが1日大人しく過ごしたら、3日目にはもう腕の痛みもひき通常通りになりました。
この副反応も、人によって全く違い、日本同様、ハワイでも高熱がでる人や、ひどい頭痛になる人、または1週間体調不良だったという人もいます。それに比べると、筆者は軽くすんだ方だと思います。
とはいえ、前評判で副反応を極度に恐がって接種を踏みとどまるのもいかがなものでしょう。ワクチン接種後に解熱剤や鎮痛剤を飲んでも良いそうなので、自分の身体に合う薬を用意してから接種するようにしては?全く副反応がなかったという人もいるので、両方の可能性があることを知り、備えてください。
ワクチン接種を促すためのハワイ州の政策
ハワイは島ということもあり、アメリカの中でも規制が厳しく、例えば他州はマスク着用不要になっても、ハワイでは着用を引き続き義務づけていたり、慎重な姿勢を続けていました。しかし、ワクチン接種者が増えるのと比例して、新規感染者数も落ち着きをみせてきていることもあり、徐々に緩和されています。
さらに、ワクチン接種を促すために、ハワイ州保健局が中心となって「#HIGotVaccinated」という豪華賞品のプレゼント抽選会も開催しています。12歳以上で、1度でもワクチン接種したら応募資格があり、毎週金曜日が抽選会になっているんですよ!
賞品は、ハワイアン航空マイレージ10万マイル、カハラホテル&リゾートステケーションパッケージ (2泊分の宿泊、食事 、 60分マッサージ込み)、ラスベガス旅行ペアチケット、ファミリーレストランZIPPY’S1年分お食事券(6,000ドル相当)など多数あります。
さらには、保健局が州全土の各コミュニティーと協力し、モバイル・ワクチン・クリニックを設置。ショッピングモール、レストラン、ビーチパークや娯楽施設などでもウォークインで、ワクチン接種が可能に!毎週ニュースなどで「今週はここでモバイル・ワクチン・クリニックが設置されます」とアナウンスされ、簡単に接種できるような環境づくりをしています。
ハワイの夜明けは近付いている!
冒頭でも述べたように、ハワイは現在ワクチン接種率70%を目指して動いており、イゲ州知事が「70%に到達する前に、コロナ感染者の人数が減っていくようであったら、全規制を撤廃する可能性もある」と記者会見で発表。ハワイにとっては、夜明けがさらに近づいていると感じるニュースです。
また2021年7月16日現在は、アメリカ本土からの観光客で、ハワイは大変な混雑を見せています。この賑わいに、ワクチン接種を済ませた日本からの観光客も加われる日が来る日も、そう遠くはないと信じたいものです。