2020年初頭から始まった新型コロナウィルスの世界的流行。海外旅行が日常から遠ざかり、すでに2年近い年月が経ちました。かつては観光客で賑わっていたバンコクの人気スポットは、しばらくロックダウンが続き、長期間閉鎖。ロックダウン中の繁華街や市場は、訪れる人もなく、まるでゴーストタウンのようでした。
2021年11月に、ようやくワクチン接種済みの方を対象に、隔離なしでのタイ入国が始まりましたが、さて、バンコクはどう変わったのでしょうか?開国後間もない2021年11月、バンコクの人気観光スポットの最新の状況をレポートしてみましょう!
目次
更地になったラチャダー鉄道市場
カラフルなテントがずらりと並ぶラチャダー鉄道市場は、バンコクを代表する写真映えスポットとして、世界的に有名なナイトマーケットでした。コロナ前には、毎晩夕方になると多くの観光客が訪れて大混雑していたものです。
ところが、バンコクのロックダウンが発表されて以来、市場は閉鎖されてしまい、多くのテントが消えてしまいました。最初はコロナで一時的に閉鎖しているだけだろうと思っていたのですが、なんと2021年7月末に、この土地のオーナーがラチャダー鉄道市場の閉鎖を発表。
これにはバンコク在住者だけでなく、世界中の人々がショックを受け、騒然となりました。その後オーナーがあわてて「永久に閉鎖するのではなく一時閉鎖だ」と弁明する一幕もあったのですが・・・。結局、世界中の人々に愛されたラチャダー鉄道市場の跡地は、現在、何にもない空き地となったまま。だだっ広い広場を見ていると何だか悲しくなってしまいます。
新しい鉄道市場「ジョッドフェア」の登場!
でも、南国タイの人たちにとって、夕涼みをしながら食事も買い物もできるナイトマーケットは、一番人気のアクティビティといっても過言ではありません。ナイトマーケットのない生活なんて考えられないのです。ということで、なくなってもまた別の場所にちゃんと新しいナイトマーケットができるんですよね。
実は、あのラチャダー鉄道市場は閉鎖されてしまったものの、もとの場所から少し離れたMRTラーマ9世駅のそばに、新たな鉄道市場「ジョッドフェア(JODD FAIRS)」が2021年11月末にオープンしたばかりなんです!
残念ながら、ラチャダー鉄道市場のようなカラフルなテントはありませんが、新しいマーケットは雰囲気がぐんとお洒落になりました。ラチャダー鉄道市場から移転してきたお店も営業中。
午前11時から夜中まで毎日営業していますが、やっぱり雰囲気がいいのは夕方以降。すでに流行に敏感なバンコクの若者が詰めかけとっても盛り上がっていますよ。
DATA ジョッドフェア(JODD FAIRS by The Train Market) 所在地:セントラルデパート・ラーマ9世通支店の裏手(BTSラーマ9世駅そば) 営業時間:11:00〜24:00 公式フェイスブック:ジョッドフェア
チャトゥチャック・ウィークエンドマーケットの惨状
お買い物好きな女子に人気だったチャトゥチャック・ウィークエンドマーケット。土日だけ開催される迷路のような広大なマーケットは、プロのバイヤーが買い付けにくるほど、安くて色々な商品が揃い、歩いて見ているだけでも楽しい場所でしたよね。
現在、ウィークエンドマーケットも営業が再開されているのですが、実は賑わっているのはメイン通りのお店のみ。メイン通りから一歩入った迷路のような市場の中は、ほとんどがシャッター街と化してしまいました・・・。観光客がまだまだ戻ってこないなか、特に観光客に人気だったファッションや雑貨のお店は苦戦をしているようです。
一方、マーケットの一角にある家具やペットの売り場は、タイ在住者の巣ごもり需要に応えるかのように結構な賑わい。週末だけでなく毎日営業しているほどです。日本と同様、タイでもコロナでおうち時間が増えて、ペットを飼い始めたり、インテリアを替えたりする人が多かったようです。
DATA チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケット(Chatuchak Weekend Market) 住所:Chatuchak Park, Kamphaeng Phet 2 Rd, Chatuchak, Bangkok 10900 営業時間:土曜日&日曜日 9:00〜18:00 公式サイト:チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケット
アジアティーク・ザリバーフロントも苦戦中
ラチャダー鉄道市場と並んで人気のあった、チャオプラヤ川沿いの華やかなナイトマーケット、アジアティーク・ザリバーフロント。こちらも営業は再開していますが・・・。
かつて目移りするほどあった多くのレストランは、川沿いの数店舗を除いて、ほぼ全滅。リバーサイドの人気タイ料理レストラン「バーン・カニタ」も営業を終了していました・・・。ローカルフードが食べられる屋台広場も、屋台が全て撤去されて空き地になっています。
観光客向けのニューハーフショーやムエタイショーももちろん休業中。いつ再開するのか、いや、再開されるのかどうかも、まだわかりません・・・。
お土産にぴったりのタイ雑貨を売っていたたくさん商店も、メイン通りはなんとか営業していますが、奥の方に入っていくとシャッター街と化していました。
こんな状況なので、以前はBTSサパーンタクシン駅から出ていたシャトルボートもサービスを中止していて、タクシーなどで行くしかありません。
一方、コロナ禍の2020年末に「シリマハンノップ」という古い帆船を利用した川に浮かぶ船上レストランが新たにオープン。アジアティーク内では、現在最も賑わっているようです。私はまだ利用したことがないのですが、レストランはマリオットホテルグループが運営しているため、料理もサービスも期待できそうです。
アジアティークの象徴ともいえる大きな観覧車も健在で、夕方になるとバンコク在住者が遊びに来て、リバーサイドのお洒落な雰囲気を楽しんでいますよ。
DATA アジアティーク・ザ・リバーフロント(Asiatique The Riverfront) 住所:2194 Charoenkrung Road, Wat Phrayakrai District, Bangkor Laem, Bangkok 10120 営業時間:11:00〜24:00 公式サイト:アジアティーク・ザ・リバーフロント
バックパッカーが消えたカオサン通り
世界的なバックパッカーの聖地として有名だったカオサン通り。最近はバックパッカーだけでなく、カジュアルなバーやライブがタイ在住者にも人気の夜遊びスポットでした。
ところが、コロナでバンコクがロックダウンすると、ほとんどのお店が営業禁止に。路上の屋台もなくなり、かつてないほど閑散としたカオサン通りの様子は、世界中から注目が集まっていました。
2021年11月から、ようやくタイで強制隔離なしの入国が再開しましたが、バンコクでは依然としてバーやクラブなどの夜遊びスポットの営業規制が続いています。カオサン通りで大人気のナイトクラブ「ザクラブ・カオサン」は2021年12月現在も休業中。
ただ、安全衛生基準を満たしたレストランでの飲酒は許可されているため、バーの中には、「レストラン」として許可を得て営業開始したお店もあり、少しずつですが、夜の賑やかさも戻りつつあります。
ただ、コロナ後のタイ旅行は、以前よりもコストも手間もかかるようになってしまい、コロナ前のように、世界中のバックパッカーがタイに戻ってくるのかどうか、ちょっと心配されるところではあります。
それでもバンコクの魅力は変わらない
コロナによる移動制限のため、観光客が激減してしまったバンコク。特に外国人客を相手に商売をしていた多くの店舗が、経済的に持ちこたえることができず、廃業してしまいました。
廃業はしていなくても、ロックダウン中に長期間クローズしなければならず、人件費削減のために従業員を解雇してしまい、ロックダウンが解除されてもすぐに新しい従業員が集まらず、人手不足で営業を再開できないお店もたくさんあります。
そんなことから、特に外国人観光客に人気があったスポットは、ご紹介したような惨状を呈していて、まだまだ復活には時間がかかりそう。
一方で、バンコクを代表する王宮や寺院は一般公開を開始。今なら観光客がまだ少ないので、ゆったりと観光できるというメリットがあります。
また、コロナ後に出来た新しいスポットもこれから増えていくでしょう。歴史と文化を維持しながら、進化しつづけるのがバンコクの魅力。次にタイを訪れた時、どんな新しい表情を見せてくれるか、楽しみにしていて下さいね。