2021年11月、コロナ禍でイタリアに行けないみなさんに代わって、イタリア在住の筆者が家族でピサに行ってきました
ピサと言えば、ピサの斜塔。あのガリレオ・ガリレイが塔の上から大きさの違う鉄球を落とし、重力の実験をした場所と言われている世界的に有名な塔です。イタリア在住15年。実は今までピサの斜塔には登ったことがなかったので(汗)、観光客が押し寄せる前にピサの斜塔に一度は登ってみよう!と今回、実際に登ってみることに。
皆さんがイタリア旅行ができる頃には、とても混雑しているはずです。その日のために、ピサの斜塔の予約方法や、ピサの斜塔内部や展望台の様子を紹介します。ピサの行き方や歴史についてはこの記事にまとめたので、こちらをチェックしてください。
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ピサの斜塔とは?
14世紀に建設された、高さ約56mの鐘楼(鐘を設置するための塔)。以前は5.5度傾いていた塔は、1990年~2001年の工事により現在は3.99度の傾きになりました。
内部には296段の階段があり、塔の最上部まで登ることができます。
ピサの斜塔はなぜ傾いているの?
ピサの斜塔の建設は1173年から始まり、完成したのはなんと1372年!約200年もの長い時間をかけて建設されました。なぜこんなに長い時間がかかったのか?それはこの傾きに理由があります。
ピサの斜塔は建築が始まって数年も経たぬうちに、地盤沈下により塔が傾き始めました。そう。塔が完成してから傾いたのではなく、建築途中の自然災害です。
傾き始めた塔の傾斜を修正しながら建築は続けられましたが、結局傾斜の修正は不可能ということになり、傾いた状態のまま1372年に完成。これが現在なら訴えられてしまいそうです。
傾斜を修正できないまま完成を迎えたため、塔の一番上の部分のみ鉛直(地面に対して垂直)に建てられているんですよ!
ガリレオの実験で世界的に有名
ピサの斜塔があるミラコリ広場は1987年に世界文化遺産に登録されましたが、それ以前からピサの斜塔はとても有名な建築物でした。それは、あの有名なガリレオ・ガリレイが重力の実験を行った場所とされているから。
ガリレオはこの斜塔の上から大きさの違う2つの鉄球を落とし、「重力による落下速度は物体の重量によらず一定である」という「落下の法則」を証明したと言われています。(※実際に実験が行われたかについては諸説あり)
確かに、これだけ傾いていると落下の実験をするには最適。3.99度って数字でみると小さな傾斜のように思えますが、実際に登ってみると思った以上に傾いていることが体感できますよ!
ピサの斜塔の予約方法
ピサの斜塔に登るには予約が必要です。予約方法は2つ。
- 事前にサイトから予約する方法
- 現地のチケット売り場で予約する方法
それぞれの方法について、詳しく説明していきます。
事前にサイトから予約する場合
特に観光客で混雑する時期(6~9月)は事前に日本で予約を取っておくと安心です。
- ピサの斜塔予約サイト(https://www.opapisa.it/en/tickets/prices/)へ
- 右下のカートマークをクリック
- 予約日をクリック
- チケットの種類と枚数を選び、カートマークをクリック
※斜塔を含むチケットの場合は時間も選びましょう - 画面の一番下までスクロールすると予約内容が表示されているので、確認したら矢印(→)をクリック
- 氏名、メールアドレスなどを入力
- カード情報を入力
- 登録したメールアドレスにEチケットが届きます
メールアドレスに届くEチケットは、印刷して当日忘れずに持っていきましょう。
Eチケットはこんな感じ↓
DATA ピサの斜塔予約公式サイト(英語)
現地のチケット売り場で予約する場合
「斜塔に登るかまだ分からない」「空きがあれば登ろうかなぁ…」という場合は、現地で予約するのもあり!
現地のチケット売り場で予約する場合は、ミラコリ広場にあるチケット売り場へ行きましょう。
斜塔の後ろ側にある建物の中に、チケット売り場があります。
入口から入るとすぐに荷物を預けるカウンターがありますが、そのまま奥に進むとチケット売り場のカウンターが。
チケット売り場のカウンター。予約時間毎に空きがあるかが分かり、空いていればその場で予約することができます。
DATA ピサのモニュメント群 チケット売場 所在地:56126 ピサ イタリア Province of Pisa
ピサの斜塔に登るまで
ここからは、実際にピサの斜塔に登った時の様子を写真で紹介します。傾いている塔の階段を登るのは、予想以上に体が傾いて不思議な感覚でした!
登る前に荷物を預けよう
安全上の理由により、斜塔を登る時にはバッグなどの荷物は持っていくことができません。斜塔に登る前に、荷物は預けておきましょう。持参できるものは「スマホなどの携帯電話、カメラ、水のペットボトル」のみなので注意。小さな肩掛けバックなどあらかじめ用意しておくと良いでしょう。
チケット売り場のカウンターがある入口から入ると、すぐに荷物置き場のカウンターがあります。
荷物置き場のカウンター。荷物を預ける時は予約チケットを見せましょう。
スタッフと一緒に中のロッカーエリアに入り、スタッフが指示するロッカーに自分で荷物を入れます。
ロッカー番号を書いたカードをくれるので、大事に保管しましょう。荷物受け取りの際に必要になるので、なくさない様に注意!
予約時間前に列に並ぼう
斜塔の予約時間は15分毎なので、前のグループが中に入ると次のグループが斜塔の前に並びます。(予約時間の10分ほど前に斜塔前に並んでおけばOK!)
斜塔の前に並ぶ入場者の列。斜塔の入口から柵にそって並びます。
並ぶ場所にある看板。コロナ禍はマスク着用を忘れずに!スタッフもチェックしています。
- 予約チケットを持っていますか?
- 予約は次の時間帯ですか?
- バッグは持っていませんか?(預けましたか?)
- マスクは付けていますか?
塔を登る時にもコロナ対策が…
予約時間になったら入口でチケットを見せ、金属探知機のチェックを受けてから中に入ります。
普段はそのまま上に登って行けるのかもしれませんが、コロナ禍の現在(2021年11月)は中に入ったところで全員が一旦待機し、スタッフから1組につき1つ小さな機械を受け取ります。一人で登る(一緒に登る人がいない)場合は一人につき1個の機械が渡されますよ!
斜塔に入ったところで待機した空間。どうやら斜塔の中心部分みたい。この壁の外側に階段があります。
首からかけるようになっている小さな機械。人が密集するのを防ぐもので、機械同士が1m以下に近づくと「ブブブッ!」と震えて音と光で教えてくれます。
すべてのグループがこの機械を持ったら、順番に登り始めます。私はゆっくり登りたかったので(体力がない…笑)一番最後に出発。後ろから人が来るとゆっくり登れないので、私の様に「休みながらゆっくり登りたい」という人は一番最後に登り始めるのがおすすめ!
ピサの斜塔に登る
らせん状になった階段を登り始めると、予想以上に体が傾いて変な感じ!自分ではまっすぐ歩いているつもりなのに、体がフラフラして左右の壁に「おっとっと…」と手をつくこともしばしば(笑)。
登っている途中に、外の景色も楽しめます。景色が見える場所には小さなスペースがあるので、少し立ち止まって休憩することも可能ですよ!
塔の上に到着!15分おきに違うグループが登ってくるため、混雑時はグループが交わらないようにスタッフに見学場所を指示されることがあります。自分の好きな場所から好きな景色を楽しむという行動はコロナ禍以降、残念ながらできません。
展望台からは、下ではよく見えない斜塔の最上部がよく見えます。細かな装飾が素敵♪
斜塔の上からの景色
斜塔の上からはピサの町並みを一望できますが、金網があるため、人を入れての写真は金網が入り、景色がきれいに撮れません。
金網の上から腕を伸ばして撮影すると、きれいに撮れます!誤ってスマホやカメラを落とさないよう注意!
上から見たドゥオモ(大聖堂)。ドゥオモの向こうに見えるのは洗礼堂、右側にはカンポサント(納骨堂)があります。
広場の南側の景色。イタリアの景色って屋根の色が似ていて統一感がありますよね♪
鐘がある最上階まで登ってみましょう
塔の上の部分をぐるりと回って景色を楽しんでいたら、スタッフが「上にも行けるよ」と教えてくれました。小さな螺旋階段を登ると、鐘が設置されている最上部へ行くことができます。
斜塔の最上部。大小の鐘が合計7つ設置されています。
斜塔の上にいられる時間には限りがあるため、時間になるとスタッフが「降りてくださ~い」と声をかけてきます。時間が来たら、また階段をぐるぐる一番下まで下りましょう。下りの方が階段は滑りやすいので注意!
一番下まで下りたら、最初にもらった機械を返して終了です。お疲れさまでした!
ピサの斜塔降りるまでの所要時間は?
斜塔の中に入ってから降りてくるまでの所要時間は約1時間。15分毎に新しいグループが登ってくるので、
- 斜塔の上まで登る(約15分)
- 斜塔の上からの景色を楽しむ(約15分)
- 鐘が設置されている最上部を見学(約15分)
- 斜塔を下りる(約15分)
の流れでグループが移動するようにスタッフが調節しているよう。
自分の好きなように登ったり降りたりできないので、斜塔に登る時には時間に余裕をもって登りましょう。
斜塔を降りたら忘れずに…
私も忘れそうになってしまったのですが、斜塔を降りたら預けた荷物を取りに行くのを忘れずに!最初に荷物を預けたカウンターで、カードを返して荷物を受け取りましょう。
DATA ピサの斜塔 所在地:Piazza del Duomo, 56126 Pisa PI 開館時間:9時~18時(季節により変更の場合あり) URL:公式サイト(英語) 料金:1人20ユーロ(子供料金無し) ※斜塔に登るには必ず予約が必要です ※安全上の理由により8歳以下の子どもは斜塔に登ることができません ※斜塔のチケットでドゥオモ(大聖堂)の中にも入ることができます
斜塔に登ると味わえる不思議な感覚!ぜひ体験してみて
実際に登ってみると、想像以上の傾きを感じたピサの斜塔。下に降りてきて改めて斜塔を見上げると「こんなに傾いているのに上まで登れるってすごい!」と改めて感じました。
この不思議な感覚は実際に登ってみないと分からない!ピサに行ったらぜひ斜塔に登ってみてくださいね♪
実際に斜塔に登った時の様子は、筆者の長男のレポートをどうぞ!
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