世界中で旅行熱が再燃している中、ヨーロッパ有数の人気を誇る観光地が集まる国と言われるポルトガル。首都のリスボンでは、2023年上半期の観光客の数が何と過去最高を記録し、コロナ禍以前の2019年の記録を塗り替えた、という程の盛り上がりを見せています。
コロナ禍前は日本からの旅行者も増加していたポルトガルは、歴史的に日本との関係が深く、日本の食文化、生活に今も多くのポルトガルからもたらされた文化が生きています。
この記事ではそんなポルトガルの首都、リスボン観光の魅力を、効率よく存分に楽しめる3日間のモデルコースにしてご紹介します。
目次
リスボンってどんな街?
ヨーロッパ最西端に位置するポルトガルは、イベリア半島の西側に南北に細長い国土を持ち、その面積は何と日本の4分の1程しかない小さな国。すぐお隣のスペインと共にかつての大航海時代に名を馳せた大国で、日本の文化や食に大きな影響を与えました。
ただ、日本からヨーロッパ旅行をする場合、イギリスや、フランス・スペイン・イタリアと比較すると、メジャーな旅行先ではないのかもしれません。
小さな国なのに驚くほどの数の世界遺産を持つ観光大国ポルトガル。その歴史はローマ帝国時代に遡り、様々な時代の建築物や遺構が残っているのです。日本とはとてもつながりが深い国なので、日本人なら行くべき国であるとも言えるでしょう。
特に首都のリスボンはポルトガル一の大都市ながら、歴史やグルメ、アートや自然などがぎゅっと詰まった、魅力に溢れた街です。初めてポルトガルに行くという人はリスボンは外せません。
リスボン観光には何日必要?
ポルトガルの首都リスボンの街を観光するには、一体何日間必要でしょうか?
ポルトガル~日本間は直航便がない
日本からの直行便がないため、最短でも移動時間だけで約16時間~20時間はかかります。
リスボンの魅力を余すことなく満喫するには、丸3日間以上はステイしておきたいところです。パリやロンドンなどのヨーロッパ経由や、お得な航空券が多いドバイやドーハなど中東経由がポピュラー。
効率よく王道スポットを巡れるモデルコース
今回紹介するコースは限られた旅行日程の中で、リスボン都市部を中心に、観光やショッピング、グルメまで網羅した、朝から夜までたっぷり楽しめる3日間のモデルコースです。
【1日目】旧市街「アルファマ」で、リスボンらしい古き良き街並みを満喫
【2日目】テージョ川沿いの世界遺産巡り
【3日目】中心街で観光とグルメとショッピング三昧
是非参考にしてリスボンを楽しみましょう!
リスボンモデルコース1日目・歴史地区アルファマを散策
リスボン中心街から、東側の丘陵に広がる旧市街・アルファマ(Alfama)。1755年のリスボン地震で被害を受けなかったため、密集した当時の建物や迷路のような狭い路地が今も残っています。リスボンの歴史が満喫できるエリアです。
DATA Alfama(アルファマ) 所在地:Alfama, Lisboa, Portugal
黄色い「28番トラム」に乗ってみる
リスボンと言えば「路面電車(トラム)」という程、SNSなどでもよく見かける黄色いトラム。アルファマ地区には観光客に一番人気の28番トラムが通っています。7つの丘があると言われるリスボンの中でも、このエリアは特に起伏が激しく、歩くことが大変。まずはトラムに乗車して、坂の上まで登ってしまいましょう。
アルファマのシンボル「リスボン大聖堂」
リスボン最古の教会の「リスボン大聖堂(Sé de Lisboa)」は、地震などの災害を乗り越え何度も修復を繰り返しながら、700年以上もアルファマの丘の麓に鎮座するリスボンのシンボル的な存在です。
薔薇窓の美しい礼拝堂や回廊もさることながら、特に坂を登るトラムと建物とのコントラストが美しく、「ザ・リスボン」な風景が外から楽しめる人気のフォトスポットです。
DATA Sé de Lisboa(リスボン大聖堂) 所在地:Largo da Sé 1, 1100-585 Lisboa, Portugal 電話番号:+351-21-886-6752 時間:月 - 金 9:30〜18:00、 土 10:00〜18:00 休館日:日 公式サイト:リスボン大聖堂
「グラッサ展望台」からリスボンの街並み全体を眺める
アルファマの丘の頂上、パロキアル・ダ・グラッサ教会のお隣にあるグラッサ展望台(Miradouro da Graça)。ここからはサン・ジョルジェ城や丘の起伏、テージョ川や4月25日橋など、文字通りリスボンの街並み全体が一望できる絶景スポットです。
28番トラムのグラサ(Graça)駅から歩いてすぐなので、まずは一番高台のここまで来て、アルファマの丘を歩いて下りるのが楽でおすすめ。展望台のカフェで、景色を眺めながらコーヒーブレイクするのもいいですね。
DATA Miradouro da Graça(グラッサ展望台) 所在地:Miradouro Sophia de Mello Breyner Andresen -Quiosque, 1170-165 Lisboa, Portugal
迷路のように入り組んだ街並みを散策
ここからはリスボンらしい石畳の路地を散策してみましょう。ポルトガルのタイル「アズレージョ」を外壁にあしらったカラフルな建物や、入り組んだ迷路のような道は、ヨーロッパらしさを満喫できます。
地図を見ながら散策するのもいいし、敢えて地図は見ずに心赴くまま彷徨うのもあり。時の流れを感じる街並みや石畳のでこぼこ道、ボロボロで味のある壁や干してある洗濯物でさえもフォトジェニックだから不思議です。
路地裏カフェの美味しいコーヒーとパンでランチ
大航海時代に多くの植民地を持っていたポルトガルはコーヒーカルチャーが根付いています。コーヒーで有名なブラジルやアフリカ各国が、かつてポルトガルの植民地だったということを考えると確かに納得です。
アルファマの路地裏には雰囲気のいいカフェがたくさんあるので、散策ついでのランチがおすすめ。美味しいコーヒーと香ばしいパンでランチにしましょう。
街角で「ジンジーニャ(さくらんぼのお酒)」にトライ
アルファマを散策していると、お店の入り口や屋台、時には民家の軒先のような場所で時々見かける人だかり。そこではリスボン特産のサクランボのリキュール「ジンジーニャ(Ginginha)」を販売しています。
小さなグラスやチョコレートのカップに入ったジンジーニャは、基本的にショットで一気にいただきます。散策で疲れた体に、激甘のジンジーニャが染みます。ただアルコール度数は強めなので、お酒が苦手な方はご注意を。
「サンタ・ルジア展望台」で魔女の宅急便の世界観に浸る
アルファマの丘の中腹、サンタ・ルジア教会の脇にある「サンタ・ルジア展望台(Miradouro de Santa Luzia)」。装飾タイル「アズレージョ」と花に囲まれた美しい庭園の奥には、ぶどう棚の絶景テラスが広がっています。
起伏のある丘にオレンジ色の屋根が並び、その向こうにテージョ川が広がる様子は、まさにジブリ映画「魔女の宅急便」の世界そのもの。ガイドブックでもお馴染みの、まさにリスボンらしい風景です!
※「魔女の宅急便」のモデルになったと言われる都市は諸説ありますが、ここリスボンや、同じポルトガルのポルトもその一つとされているようです。
DATA Miradouro de Santa Luzia(サンタ・ルジア展望台) 所在地:Largo Santa Luzia, 1100-487 Lisboa, Portugal
高台にある城砦「サン・ジョルジェ城」
アルファマの高台にあり、11世紀ムーア人によって建てられた城砦「サン・ジョルジェ城(Castelo de S. Jorge)」は、展望台からの絶景や石積みの城壁散策が人気の観光スポットです。
入るには入場料(€10.00)が必要で、入口にはいつも観光客の長蛇の列が。トラムの駅からも急な坂を登らなくては行けません。絶景を楽しみたいのであれば、アルファマには他にも絶景ポイントがたくさんあります。時間と体力に余裕があれば、訪れてみましょう。
DATA
Castelo de S. Jorge(サン・ジョルジェ城)
所在地:R. de Santa Cruz do Castelo, 1100-129 Lisboa, Portugal
時間:日 - 月 9:00~21:00
電話:+351-21-880-0620
公式サイト:サン・ジョルジェ城
ポルタス・ド・ソル広場のバーで夕陽を眺めながら乾杯
一日目の締めは「ポルタス・ド・ソル広場(Largo Portas de Sol)」の展望台で。サンタ・ルジア展望台から歩いてすぐの場所なので、実は見える景色はサンタ・ルジアと若干似てはいますが、広がり感が圧倒的に違います。
広場近辺には景色を見渡せるレストランやバーもあり、ここで夕日を眺めながら乾杯するのが最高。どこからともなく聞こえるストリートミュージシャンのギターの音色と相まって、何ともロマンチックな雰囲気です。
DATA Largo Portas de Sol(ポルタス・ド・ソル広場) 所在地:Largo Portas do Sol, 1100-411 Lisboa, Portugal
リスボンモデルコース2日目・世界遺産巡り
2日目はリスボンの象徴でもあるテージョ川を眺めながら、世界遺産の「ベレンの塔」と「ジェロニモス修道院」のあるベレン地区(Belém)を散策。
DATA Belém(ベレン) 所在地:Belém, Lisboa, Portugal
ベレン地区のテージョ川沿いを電動スクーターで巡る
リスボン中心街から鉄道や路面電車でアクセス可能ですが、見晴らしのいい自転車専用道路が続くので、風に吹かれながらの電動スクーター移動が気持ちいいです!
電動スクーターのアプリを入れよう!
まずはスマホに電動スクーターのアプリをダウンロードしましょう。リスボンではLime(ライム)やBolt(ボルト)など様々なレンタルスクーター会社がありますが、筆者は今回、Link(リンク)を利用しました。
使い方はアプリにカード情報を入力し、置いてあるスクーターのQRコードを読み取れば使用可能、ととても簡単。ハンドルを回すだけでスイスイ進むので、移動が一気に楽になります。
街の至る所にあるスクーター駐車可能のエリアであれば乗り捨て可能で、各社のスクーターがズラリと並んでいます。違う場所に駐車するとペナルティが取られるので、アプリの地図で現在地を確認しながら移動しましょう。
テージョ川沿いの「パセイオ・カルロス・ド・カルモ」を進む
ベレン地区へはテージョ川沿いの遊歩道「パセイオ・カルロス・ド・カルモ(Passeio Carlos Do Carmo)」をひたすら進むルートで向かいます。市街の中央広場であるコメルシオ広場からベレン地区までは、この自転車OKの遊歩道で繋がっているのでとても便利です。
風に吹かれながら川沿いをサイクリングするのは本当に気持ちいい!石畳と坂の多いリスボンですが、この遊歩道沿いは平坦で舗装されているし、車の心配もしなくていいので安心です。
DATA Passeio Carlos Do Carmo(パセイオ・カルロス・ド・カルモ) 所在地:Passeio Carlos Do Carmo, Lisboa, Portugal
ダイナミックな「4月25日橋」を見上げる
リスボンと南部アルマダを繋ぐ、このサンフランシスコを思わせる「4月25日橋(Ponte 25 de Abril)」は、ポルトガルの民主化を記念して名付けられました。ポルトガルの平和の象徴としてリスボン市民のシンボルにもなっている、ダイナミックな吊り橋です。
DATA Ponte 25 de Abril(4月25日橋) 所在地:Pte. 25 de Abril, Lisboa, Portugal
アートのようなミュージアム「MAAT(芸術、建築、技術博物館)」
4月25日橋を通り過ぎると右手に見えてくる、白く盛り上がる小高い丘のようなミュージアム「芸術・建築・技術博物館(Museu de Arte, Arquitetura e Tecnologia / 通称MAAT)」。流線型の独特のフォルムは、遠くから見るとテージョ川に打ち寄せる大波のようにも見えます。
この彫刻のような建物全体は、地上からそのまま周囲を歩き回れるように設計されています。展示作品を観るだけでなく、ランドスケープも含めた大きなうねりを体感できるのも面白いです。
DATA MAAT(芸術、建築、技術博物館) 所在地:Av. Brasília, 1300-598 Lisboa, Portugal 営業時間:月・水~日10:00〜19:00 休館日:火曜日 公式サイト:MAAT
あのザビエルもいる「発見のモニュメント」へ
MAATのその先には、船の帆のような形の大きな記念碑「発見のモニュメント(Padrão dos Descobrimentos)」が。エンリケ航海王子の没後500年を記念して建てられたもので、マゼランやヴァスコ・ダ・ガマなど、ポルトガルの大航海時代に活躍した、数々の偉人達が石像に刻まれています。
記念碑の中に入って、エレベーターで上に登ることもできます。並んでいる偉人達の中に、日本でもお馴染みのフランシスコ・ザビエルの姿を発見。教科書で見ていたあの姿(ザビエルヘアでお馴染みのアレ)ではなく、髪の毛はフサフサしているのが意外です。
DATA Padrão dos Descobrimentos(発見のモニュメント) 所在地:Av. Brasília, 1400-038 Lisboa, Portugal 電話番号:+351-21-303-1950 営業日時:10:00〜19:00 公式サイト:発見のモニュメント
リスボンを見守る要塞「べレンの塔」
発見のモニュメントからさらに川沿いを5分。いよいよポルトガルを代表する世界遺産の一つ「ベレンの塔(Belém Tower)」に到着。16世紀のポルトガルを象徴する装飾の美しい「マヌエル様式」の塔は、船の出入りを監視する要塞にもかかわらず不思議とエレガントです。
内部を見学することも可能で、地下には海水の入り込む水牢もあり、政変の度に高官達が幽閉されたとか。この時は引き潮で水位も低いですが、満ち潮になると‥‥と考えるとちょっと怖いですね。
DATA Belém Tower(ベレンの塔) 所在地:Av. Brasília, 1400-038 Lisboa, Portugal 電話番号:+351-21-362-0034 時間:10:00〜17:30 休館日:月 公式サイト:ポルトガル文化遺産総局
大人気観光スポット「ジェロニモス修道院」
大航海時代にイケイケだった頃のポルトガルが、贅の限りを尽くして建てた「ジェロニモス修道院(Jerónimos Monastery)」へ。マヌエル様式の最高傑作と言われており、ベレンの塔と共に世界遺産登録されています。
リスボン有数の人気観光地で訪れる観光客の多さも半端ではないため、チケットはウェブ予約がおすすめ。それでも行列には並びますし、全館見て回るにはかなりの時間を要するので、美しく荘厳な南門など、外観のみをチェックするのもありだと思います。
DATA Jerónimos Monastery(ジェロニモス修道院) 所在地:Praça do Império 1400-206 Lisboa, Portugal 電話番号:+351-21-362-0034 時間:月 - 日 9:30〜18:00 公式サイト:ポルトガル文化遺産総局
ベレン地区に来たら外せない名物スイーツ「エッグタルト」
ポルトガルの名物スイーツと言えば、エッグタルトの「パステル・デ・ナタ(Pastel de nata)」。元々はジェロニモス修道院の修道士たちによって作られたお菓子で、パステル・デ・ベレンと呼ばれるほどベレンとは切っても切り外せない関係です。
そんなエッグタルトの原点であるジェロニモス修道院の「秘伝のレシピ」を楽しめるのが、1837年創業の老舗パティスリー「パシュテイシュ・デ・ベレン(Pastéis de Belém)」。エッグタルトを語る上で絶対に外せないお店で、焼きたてのタルトを食べて疲れを癒しましょう。
DATA Pastéis de Belém(パシュテイシュ・デ・ベレン) 所在地:R. de Belém 84 92, 1300-085 Lisboa, Portugal 電話番号:+351-21-363-7423 時間:月 - 日 8:00〜22:00 公式サイト:パシュテイシュ・デ・ベレン
流行発信地「LXファクトリー」でお土産ショッピング&ディナー
暗くなる前にリスボン市街方面にスクーターを走らせ、4月25日橋の麓「アルカンタラ」地区にあるLXファクトリー(LX Factory)に向かいます。元繊維工場だった一帯が美しくリノベされ、レストランやバー、カフェやショップなど、リスボンでも有数の人気店が立ち並ぶ、いわばリスボンっ子達の流行発信地です。
石畳の通りやブリック壁の建物、そこに描かれたウォールアートなど、ここにあるもの全てがフォトジェニックです。お土産のショッピングやディナー、軽く一杯飲みたい、が一度に叶います。
DATA LX Factory(LXファクトリー) 所在地:R. Rodrigues de Faria 103, 1300-501 Lisboa, Portugal 時間:月 - 日 9:00〜22:30 公式サイト:LXファクトリー
リスボンモデルコース3日目・中心街バイシャ・チアド地区でグルメと絶景
7つの丘で構成される起伏に富んだ街・リスボン。地図上で見るとすぐお隣に見えても、実際は高低差数十メートルということもよくあります。最終日はリスボンの中心街であるバイシャ・チアド地区(Baixa-Chiado)でその高低差を楽しみながら、リスボンの中心街でグルメとショッピングを楽しみます。
DATA Baixa-Chiado(バイシャ・チアド) 所在地:Baixa-Chiado, Lisboa, Portugal
リスボン海の玄関口「コメルシオ広場」からスタート
リスボンの中心街、テージョ川沿いにある正方形の大きな広場「コメルシオ広場(Praça do Comércio)」。大航海時代に貿易の中心だったことからコメルシオ(ポルトガル語で”貿易”)という名がついている、まさに海の玄関口的な存在です。
圧倒的な解放感のあるリスボン市民の憩いの場で、テージョ川の風を感じながら3日目がスタートです。
DATA コメルシオ広場 所在地:1100-148 Lisbon, Portugal
目抜き通り「アウグスタ通り」を散策
コメルシオ広場とロシオ広場を繋ぐ目抜き通り「アウグスタ通り(Rua Augusta)」は、リスボンで一番の繁華街。ポルトガルらしいモザイクの石畳と両脇に並ぶ縦長の窓が並んだ建物、歩行者天国の通り沿いにはテーブル席が並び、常に活気に溢れています。
ここを歩いていると、どこかに入って何かを食べたくなるはず。リスボン名物の焼き栗も売っています。お土産物屋さんも多いですがポルトガルブランドのショップもあるので、お土産ショッピングにもおすすめのエリアです。
DATA Rua Augusta(アウグスタ通り) 所在地:Rua Augusta, Lisboa, Portugal
伝統料理「魚介のリゾット」でランチ
ポルトガルに訪れたら外せない伝統料理の一つ、シーフードのリゾット「アローシュ・デ・マリシュコ(Arroz de Marisco)」。エビやカニ、アサリやムール貝など、たっぷりの魚介とそのエキスがギュッと凝縮されたスープで炊いたお米の料理は、濃厚で深みのある旨味がたまらない、ランチにもディナーにもぴったりの郷土料理です。
そんなシーフードリゾットの専門店が、アウグスタ通りのすぐ裏手にある「ウマ(Uma)」です。メニューはアローシュ・デ・マリシュコのみという潔さからも、味の自信が窺えます。かなりのボリュームなので、是非お腹を空かせて訪れましょう。
DATA Uma(ウマ) 所在地:R. dos Sapateiros 177, 1100-044 Lisboa, Portugal 電話番号:+351-96-237-9399 時間:月 - 日 11:00〜22:30 公式サイト:ウマ
120年前のエレベーター「サンタ・ジュスタのリフト」
街中に唐突にそびえ立つ、独特の存在感を放つ45mの鉄骨の塔「サンタ・ジュスタのリフト(Elevador de Santa Justa)」。バイシャ地区と高台のカルモ地区をつなぐエレベーターで、今では観光地化していますが、昔は高低差のあるリスボンの街では市民の強い味方だったそう。レースのような装飾鉄やレトロな木製エレベーターなど、テーマパークのアトラクションのようです。
頂上からの絶景は一見の価値ありですが、実はエレベーターに乗らなくても乗り場まで入ることができます。話の種に往復乗車料金€5.30を払って長蛇の列を並ぶか、待ちきれない人は散策しがてら丘を徒歩で登るのもおすすめです。(リスボン版SuicaのViva Viagemカードを使えば片道€1.65)
DATA Elevador de Santa Justa(サンタ・ジュスタのリフト) 所在地:R. do Ouro, 1150-060 Lisboa, Portugal 電話番号:+351-21-413-8679 時間:月 - 日 7:00〜22:45
天井のない廃墟の教会「カルモ修道院」
サンタ・ジュスタのリフトのすぐ目の前にある「カルモ修道院(Convento da Ordem do Carmo)」は、1755年のリスボン大地震で被災した姿が廃墟のまま残された教会です。今ではミュージアムとして使われていますが、外から見ると普通の教会に見えますが、中に入ると天井の無い崩壊した当時の姿を見ることができます。
DATA Convento da Ordem do Carmo(カルモ修道院) 所在地:Largo do Carmo 27, 1200-092 Lisboa, Portugal 電話番号:+351-21-346-0473 時間:月 - 土 10:00〜19:00 休館日:日 公式サイト:カルモ修道院
ジャカランダの美しいカルモ広場
カルモ修道院の前に広がる「カルモ広場(Largo do Carmo)」。ストリートミュージシャンが演奏し、多くの人達がそれを眺めながらグラスを傾ける、市民の憩いの場です。5月中旬から6月辺りは紫色の花・ジャカランダのシーズン。広場を囲うように美しい紫色の花が咲き乱れる人気のスポットです。
DATA Largo do Carmo(カルモ広場) 所在地:Largo do Carmo 13, 1200-203 Lisboa, Portugal
CMでもお馴染みの「アルカンタラ展望台」
カルモ修道院から歩いて10分ほどの「サン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台(Miradouro de São Pedro de Alcântara)」は、リスボンを代表する人気の展望台の一つ。1日目に訪れたアルファマ地区のグラッサ展望台と相対する眺め、つまりサン・ジョルジェ城などアルファマの丘の眺めが楽しめます。この開放感は、まさにため息の出る美しさです。
このオレンジ色の屋根が広がる眺め、何だか既視感があるかもと思った方もいらっしゃるのでは?実は以前日本の芳香剤のCM(消臭力)で、少年が歌っていたのがまさにこの広場なんだそう。ついつい大きな声で商品名を歌い上げたくなります。
DATA Miradouro de São Pedro de Alcântara(サン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台) 所在地:R. de São Pedro de Alcântara, 1200-470 Lisboa, Portugal 公式サイト:リスボン市
ケーブルカーに乗ってリスボンの丘を攻略
エレベーターの他にも、リスボンの丘を攻略する上で欠かせない交通手段の一つが、建物の隙間を登るケーブルカー。リスボンに3つあるケーブルカーの中で最も急勾配と言われる「グロリア線(Glória)」の乗り場は、アルカンタラ展望台のすぐお隣です。
乗車料金は€3.80と少々お高めの観光地価格なので、ケーブルカーで坂を下りるも良し、ケーブルカーと併走して街並みと一緒に記念撮影するのもいいですね。
割と落書きの多いリスボンの街ですが、本来は美しいケーブルカーの車体も、時期によってはスプレーペイントまみれになってしまうのが少々残念です。
DATA Glória - São Pedro de Alcântara(グロリア線 サン・ペドロ・デ・アルカンタラ駅) 所在地:1250-001 Lisboa, Portugal
地元料理で最後の晩餐
ポルトガルで食べておきたいものと言えば、何と言ってもシーフード。最後にまだ食べていないポルトガルの地元料理をコンプリートしておきましょう。干し鱈の「バカリャウ」や缶詰でも人気の「鯖」、タコや貝類など、リスボンには美味しい海鮮レストランがたくさんあります。
特にどこのお店のメニューにもある、ポルトガル人のソウルフード「バカリャウのコロッケ(Pastéis de Bacalhau)」やイワシの炭火焼き(Sardinha assada)などは、どんなお酒にも合う完璧なおつまみフードです。
シャンゼリゼ的なアヴェニーダ大通りをお散歩
高級ホテルやレストラン、ハイブランドのブティックが並ぶ、リスボンの中心にあるアヴェニーダ大通り(Avenida da Liberdade)。パリのシャンゼリゼ通りや東京の表参道のような雰囲気の並木道で、街の中心にありながらゆったりとした空気感の流れる上品なエリアです。
通りの中央にある公園には植栽や噴水もあり、お買い物合間にお散歩するだけでも気持ちいいですよ。テラス席のあるキオスクもあるので、ちょっとした休憩にも使えます。
DATA Avenida da Liberdade(アヴェニーダ大通り) 所在地:Av. da Liberdade, Lisboa, Portugal
ルーフトップバーで締めのカクテルを
最後の夜は、高級ホテルやレストランが軒を連ねるアヴェニーダ大通りを散策しつつ、ルーフトップバーで夜景を眺めて、リスボンの旅を締めくくりましょう。
リスボンに数あるルーフトップバーの中で特におすすめなのが、TIVOLIホテルの屋上にある「スカイバー・バイ・シーン(Sky Bar by SEEN)」。ライトアップされたサン・ジョルジェ城やリスボンの街並みが、昼とはまた違った表情を魅せます。
DATA Sky Bar by SEEN(スカイバー・バイ・シーン) 所在地:Av. da Liberdade 185, 1269-050 Lisboa, Portugal 電話番号:+351-21-319-8642 時間:月 - 日 17:30〜1:00 公式サイト:スカイバー・バイ・シーン
もっと時間がある人は?リスボンから近いおすすめの観光スポット
もし、もっとゆっくりリスボンに滞在するスケジュールであれば、リスボンから簡単に行ける場所にも素晴らしい都市と自然があります。
RPGの世界観満載な世界遺産の町「シントラ」
山間に宮殿や遺跡が点在する世界遺産の町「シントラ(Sintra)」。ポルトガル王家の夏の避暑地として栄えた風光明媚な場所で、天空の城と称えられるパステルカラーのペーナ宮殿(Palácio Nacional da Pena)や、RPGのような世界観溢れるレガレイラ宮殿(Quinta da Regaleira)、ポルトガルの万里の長城とも例えられるムーア城跡(Castelo dos Mouros)など、絵本の中のような美しい街並みなど、おもちゃ箱のような町です。
リスボンから電車で約40分と日帰りで行ける距離感も人気の一つ。まるで物語の主人公になったようなリアル・ドラクエ感や天空の城ラピュタ感が楽しめる、いつもたくさんの観光客で溢れる大人気スポットです。
DATA Sintra Palácio Nacional da Pena(シントラ ペーナ宮殿) 所在地:Largo Rainha Dona Amélia, 2710-616 Sintra, Portugal 電話番号:+351-21-923-7300 時間:月 - 日 9:30〜18:00 公式サイト:シントラ市観光局
ユーラシア大陸最西端の「ロカ岬」
ユーラシア大陸の最西端に位置するポルトガルの中で、最も西の端にあるロカ岬(Cabo da Roca)。断崖絶壁には1772年建設の現役の灯台があり、その目の前には広大な大西洋が広がっています。有料ではありますが「最西端到達証明書」ももらえるそうですよ。
リスボンからは電車を乗り継いて2時間程度ですが、シントラからも近いのでセットで訪れてもいいですね。シントラ観光の後にロカ岬で「西の果ての夕日」を眺めるツアーも人気だそう。
DATA Cabo da Roca(ロカ岬) 所在地:Estrada do Cabo da Roca s/n, 2705-001 Colares, Portugal 電話番号:+351-21-928-0081 公式サイト:シントラ市観光局
リスボン観光の注意点
最後に、魅力的なポルトガルの首都、リスボンをより快適に安全に観光できるポイントをお教えします。
歩きやすく、滑りにくい靴がマスト
一見、風情があって美しいリスボン特有の石畳ですが、実用的なことを考えるとかなり歩きづらく厄介です。旅行には歩きやすい靴を持って行くのは鉄則ですが、リスボンでピンヒールなんて履いた日には一瞬でボロボロになります。
摩耗して光ったタイルはとにかく滑りやすい!しかも坂道の多いリスボンでは、雨が降ったらツルツルです。ローヒールやスニーカーという概念だけではなく、ソールの仕様にも注意したいところ。滑りにくいハイグリップのものを選ぶことを強くおすすめします。
スリ・置引きに注意
ヨーロッパの中でも比較的治安が良いと言われているポルトガルですが、それでも日本よりは気を引き締めましょう。観光客はスリや置き引きのターゲットになることも多く、特に観光客に人気の28番トラムはスリ多発地帯だとか。貴重品は肌身離さず持ち、バッグもできる限りジッパーや鍵付きのものだと安心です。
レストランやカフェでも、荷物からは目を離さないように。テラス席のテーブルの上にスマホを置きっぱなしにして、食事をしたりおしゃべるしたりするのも危ない行為です。
物売りにも注意
観光地では観光客を目当てに物売りが横行しています。ミサンガやサングラス、偽ブランドバッグなどは序の口、リスボン市街では大麻やドラッグの売人も普通に声をかけてきます。物売りとわかったら、声をかけられても徹底的に無視です。
クレジットカードが使えないことも
カード社会のヨーロッパとは言いつつも、小さな商店や地元の人が訪れるローカルなレストランなど、意外にもクレジットカードNGのお店も多いです。大金を持つ必要は全くありませんが、念のための少しの現金を持っていると安心です。
街中にはATMもたくさんあるので、不意に現金が必要な場合はカードでキャッシングするのもありですね。(その際はスリにご注意を!)
リスボンの街を3日間で満喫!
歴史や街並み、グルメなど、見所盛りだくさんな街リスボンを3日間で遊び倒すプラン、いかがでしたか?もちろん3日間だけでは全てのスポットを網羅できないし、食べたいものもありすぎて胃袋が足りません。
旅行中は何かと無理をしてしまいがちです。このモデルコースを参考に、無茶のない範囲で気になる場所をピックアップし、あなただけのリスボン旅行を楽しんでください。